SMC、23年4〜9月売上は6.6%減の3,936億円、通期予想8,070億円(2.2%減)は変更せず

 SMCが11月14日に発表した2024年3月期第2四半期(4〜9月)連結業績によると、売上高は、393,551百万円(前年同期比6.6% 減)となった。所在地別では、主に中華圏が前年同期比で2割程度減少した。また販売先業種別で は、半導体業界向けの低調が続いていることが主な減収要因。

 営業利益は105,124百万円(同21.3%減)となった。製品等販売量の減少、及び原価率の上昇による売上総利 益の減少、並びに人件費の増加、旅費交通費の増加、減価償却費増加、及び研究開発費の増加等による販売及び 一般管理費の増加が、主な減益要因。

 経常利益は134,660百万円(同25.5%減)となった。上述の影響に加え、前年同四半期に大きく円安が進行し たのと比較すると、相対的に緩やかな円安進行となったことにより、為替差益が減少したことが、主な減益要因 。

 税金等調整前四半期純利益は135,222百万円(同26.3%減)となった。上述の影響に加え、前年同期に投資有価証券を売却しその売却益を計上したが、第2四半期連結累計期間では投資有価証券の売却が少なか ったことが、主な減益要因。親会社株主に帰属する四半期純利益は94,735百万円(同28.8%減)となった。

 SMC2024年3月期第2四半期データ

 第2四半期連結累計期間においては、長期化するウクライナでの戦 争、世界的な金融引き締めの動き、米中関係の冷え込み、中国経済の減速懸念など、先行きの不透明な状況が継続している。

 自動制御機器(空気圧機器)の需要は、半導体・電機関連は、スマートフォンやPC関連需要が低迷し、日本・アジア・北米で メモリー関連を中心に設備投資の抑制・先送りの動きが継続した。自動車関連は、世界的に自動車生産台数が回復し、欧米を中心にEV関連で大型設備投資が継続したものの、中華圏は前年同期の活況の反動もあり、成長率が鈍化した。工作機械関連は半導体関連需要の不振や中国の景気減速などにより、調整局面が続いた。医療機器関連、食品機械関連及びその他の業種向けは、コロナ後の新たな省力化・自動化需要はあるものの、伸び悩んだ。

 このような環境下において同社グループは、「2026年度 売上高1兆円」を達成するため、国内外において製品供給体制の強化のための設備投資を積極的に推進するとともに、顧客のCO2排出量削減に貢献できる新製品開発 やソリューション提案、BCP体制の構築、ITの導入による合理化、グローバル人材の活用などの課題に引き続き取り組んだ。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2024年3月期の連結業績予想については、2023年5月15日公表した下記内容を据え置いた。

 売上高807,000百万円(前期比2.2%減)、営業利益233,000百万(同9.8 %減)円、経常利益253,000百万円(17.3 %減)、親会社株主に帰属する当期純利益183,000 百万円(18.5 %減)。

 なお同社は、2022年6月以降、ロシア子会社に対する輸出及び新規投資をすべて停止している。将来、ロシアから完全に撤退すると仮定した場合、現地残余資産の回収に必要な現地当局の許認可が得られず、同社グルー プが保有しているロシア事業関連の資産が毀損するリスクがある。当該リスクは、最大112億円と見積もっている。

 SMCの2024年3月期第2四半期決算短信