東洋機械金属が10月26日に発表した2023年3月期第2四半期(2023年4〜9月)連結業績によると、 受注高は13,084百万円(前年同期比27.3%減)、売上高は14,058百万円(同17.5%減)となった。うち、国内売上高は3,715百万円(同 16.7%減)、海外売上高は10,343百万円(同17.8%減)となり、海外比率は73.6%となった。
同社では、2024年3月期を最終年度とする第3期中期経営計画に基づいて中長期的な視点から持続的な成長と安定した収益確保に向けて取り組んだが、国内や中国、米国からの需要低下の影響を受けた。
利益については、売上高の減少や生産減少に伴う操業度の低下、部材仕入価格高騰の影響を受け、営業利益は2百万円(前年同期比99.7%減)、経常利益は55百万円(同92.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は海外子会社で 発生した元従業員による私的流用事案に関する貸倒引当金及び特別調査委員会による調査費用を計上したことなど により、318百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益238百万円)となった。
第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感 染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に引き下げられ、個人消費に持ち直しの動きが見られるなど景気は緩や かな回復基調となった。一方、世界経済においては、ウクライナ情勢の長期化により原材料・エネルギー 価格の高騰や世界的な金融引き締めに伴い投資意欲の低下が見られるなど、依然として先行き不透明な状況で推移した。
同社グループの事業に関連する市場においては、国内や海外の一部のエリアにおいての景気が低迷してお り、半導体をはじめとする電子制御部品の不安定な供給による納期の長期化や行き過ぎた円安進行による海外から のエネルギー資源価格の上昇等の影響などにより、厳しい経営環境の下で推移した。
■製品別の売上の状況
[射出成形機]
射出成形機については、受注は国内、海外ともに減少した。国内売上は、自動車や工業部品関連で減少 した。海外売上は、中国のIT電子機器や医療関連、米国の生活用品関連が減少した。
この結果、受注高 は9,509百万円(前年同期比33.6%減)、売上高は10,201百万円(同22.4%減)となった。このうち、海外売上高は7,533百万円(同22.5%減)となり、海外比率は73.8%となった。
[ダイカストマシン]
ダイカストマシンについては、受注は国内は減少したが、海外は増加した。国内売上は、工業部品や自動車関連が増加した。海外売上は、中国や韓国の自動車関連が減少した。
この結果、受注高は3,575 百万円(前年同期比2.9%減)、売上高は3,857百万円(同1.2%減)となった。このうち、海外売上高は 2,810百万円(同1.9%減)となり、海外比率は72.8%となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
通期の連結業績予想については、同社を取り巻く市場環境は、各国の状況によって違いはあるものの、成形機業界全体の需要は低水準で推移している。東南アジアは自動車関連などを中心に堅調に推移しているが、中国のIT電子機器や医療関連、米国の生活用品関連の需要は低調に推移している。また、部材調達環境の悪化により、主要な調達部材の価格高騰や長期化する部材供給不足に伴う生産効率の悪化、受注減少に伴う工場 操業度低下による固定費回収不足が生じ、原価率が上昇している。
同社グループとしては、変動する市場の需要に対してスピード感をもって対応し、同社独自の営業力・ 技術力・生産力をもって、受注・売上の確保と一層のコスト削減に努めるとともに、投資計画の見直しにも取り組 んでいく。しかし、今後も市場環境の悪化が継続することが見込まれ、売上規模が縮小すると予想される。
この結果、通期の業績予想については、第2四半期連結累計期間の業績および今後の見通しを踏まえ、下記のとおり修正した。
売上高は27,500百万円(前年同期比22.1%減)、営業利益100百万円(同92.4%減)、経常利益200百万円(同87.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は320百万円(ー)を見込んでいる。
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