㈱ソディックが11月10日に発表した2023年12月期第2四半期累計(1~9月)連結業績によると、売上高499億36百万円(前年同期比16.4%減)、営業損失14億5百万円(前年同期は営業利益45億58百万円)、経常利益3億48百万円(前年同期比 95.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は8億89百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益 51億54百万円)となった。
■経営成績に関する説明
第3四半期連結累計期間の同社グループを取り巻く環境は、原材料・エネルギー価格の高止まりなど世界的なインフレ、世界的な金融政策の引き締めによる景気後退の懸念や円安の進行、ウクライナ情勢をはじめとする地政学的リスクの長期化、中国の景気減速など依然として先行き不透明な状況が継続している。
このような外部環境のもと、自動化や電動化が進む自動車市場ではCASE関連向けに継続的な需要があるものの、半導 体・電子部品向けの需要は在庫調整や設備投資を抑制する動きもみられ、国内・海外市場ともに調整局面が継続し、低調に推移している。
同社グループは、「創造」「実行」「苦労・克服」の精神のもと、顧客へ最高の価値を提供し、「未来を創る」企 業としてものづくりを通して社会の持続的な発展に貢献すべく取り組んでいる。自動車や通信分野をはじめとした技術革新、省人化ニーズの高まり、カーボンニュートラル・SDGsの促進を背景に、ものづくりの現場においても、さらな る高精度化、高速化、自動化はもとより、操作性の向上、電力使用量や廃棄物の削減、工程集約、DX化の推進等が求め られている。これらの「進化するものづくりへの貢献」を重要な経営課題と捉え、新製品開発の促進、トータルソリ ューションの展開、アフターサービスの充実、DXを活用した付加価値の提供等、事業の拡大とサステナビリティの取り組みを一体で推進している。
営業・サービス活動においては、ドイツで開催された世界四大工作機械展示会の一つである「EMO Hannover 2023」やベトナムで開催された工作機械展示会「MTA Vietnam2023」等の展示会に出展し、ソディックブランドの浸透と 拡販に努めた。
■セグメント別の経営成績
<工作機械事業>
売上高35,285百万円 (前年同期比17.1%減)/営業利益 1,408百万円 (前年同期比 4,089百万円減)
CASE関連向けの需要は継続しているほか、日本、欧米において航空宇宙関連向けの需要は回復基調であるものの、依 然として日本、中華圏、アジアにおいて半導体・電子部品向けの需要は低調であり、売上高は前年同期比で減少となった。
セグメント利益は、海外工場において円安やインフレに伴う製造原価の高止まり、生産調整に伴う工場の収益性低 下、人件費の増加等により前年同期比で大幅に減少した。 一方でものづくりの高度化は今後も継続するとみられ、高速・高精度加工のニーズが高まるほか、操作性向上、省エ ネ対応、長時間の安定加工や加工物の大型化・複雑化等も重要な機会と認識している。高精度な加工が求められる地域と顧客を視野に、強みのある放電加工機の一層の拡販と同時に、中長期的に成長が期待できる金属3Dプリンタ、精密マシニングセンタについても、技術開発の推進や販売体制の強化により、高付加価値加工ニーズを取り込んでいく。また、自動車業界、半導体業界、ディスプレイ業界、建材業界などを大きく変革する技術として有望視されている レーザ加工機について8月に準備室を立上げ、開発等を進めている。
<産業機械事業>
売上高6,367百万円 (前年同期比 21.5%減 )/営業利益 △257百万円 (前年同期比 4,098百万円減 )
半導体・電子部品向けの市況軟化に伴う顧客の在庫調整や投資先送りの影響等を受け、産業機械業界全体として調整局面が継続している状況であり、同社が事業展開する各地域・各業界においても全体として厳しい状況となった。
その結果、売上高は前年同期比で減少した。
一方で長期的には、アジア地域等において、ものづくりの高精度化が進展し、同社が得意とする超高精度の射出成形機の需要が高まることが予測される。また、電力使用量や成形に伴う廃棄物の削減ニーズについても重要な機会と認識し、同事業を展開している。
<食品機械事業>
売上高 4,573百万円 (前年同期比 9.8%増 )/営業利益 273百万円 (前年同期比 179百万円増 )
国内外における製麺機関連設備や海外向けの無菌包装米飯製造装置等の需要が堅調に推移しており、売上高は前年同 期比で増加した。 中華圏、アジアを中心とした海外市場にて食の高品質化やインフラの整備等で生麺や米飯の需要が高まることが期待される。同社は海外営業部門を新設し、東アジア・東南アジア・アメリカを中心に事業展開をしていく。また、製麺機と米飯製造システムの生産体制強化に向け、2023年1月より中国厦門工場内に食品機械新工場が稼働開始。同年11月には加賀事業所内に食品機械新工場が完成予定で、新技術の開発やコストダウン等を図るなど競争力をさ らに強化していく。 今後も、これまで実績のある米飯・製麺設備はもとより、別分野の市場への進出も視野に入れて営業活動を展開するほか、強みであるメンテナンスサービスをより一層強化することで事業拡大を図っていく。
<その他>
売上高 3,709百万円 (前年同期比 24.5%減)/営業利益 △577百万円 (前年同期比 941百万円減 )
精密コネクタなどの受託生産を行う金型成形事業、リニアモータやセラミックス部材の販売等を行う要素技術事業から構成されている。金型成形事業においては自動車関連向けの需要が低調であることに加えて、セラミックスの外販についても、半導体市場において在庫調整が継続するなど需要が弱含んでおり、売上高は前年同期比で減少した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2023 年 12 月期通期連結業績予想については、売上高は、食品機械事業は製麺機・米飯装置ともに案件が進捗する見込みだが、工作機械事業及び産業機械事業において厳しい状況が継続する見込みであり、 前回予想を下回る見通し。利益面においては、生産調整等による工場の収益改善も一部寄与するものの、原材料価格等の高騰による製造原価の高止まり等を鑑み、下方修正した。
売上高668億円(前期比17.0%減)、営業利益△21億円(ー)、 経常利益△3億円(ー)、親会社株主に帰属する当期純利益△21億円(ー)と修正した。
前提となる第4四半期の主な為替レートは、1ドル 149 円、1ユーロ 158 円を想定して いる。
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