日本電信電話(NTT)は11月9日、大容量・低遅延・確定遅延の特徴を持つIOWNオールフォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network、以下、APN)を活用して、現場の建設機械と遠隔操作システムを接続することで、用途の異なる2種類の建設機械を用いたユースケースにおいて、違和感のない遠隔操作が可能であることを各社と連携して確認したと発表した。また、現場の映像等を低遅延でNTT伝送することにより、遠隔地にいるオペレーターが現場の状況を正確に把握することが可能となり、現地での作業と近い環境を実現可能とした。今後、建設機械の遠隔操作を活用することにより、オペレーターの移動時間の削減といった業務の効率化や、現場で人が行っていた危険な作業の削減による安全性の向上が期待される。
なお、この成果は、2023年11月14日~17日に開催されるNTT R&D フォーラム― IOWN ACCELERATIONに展示予定。
■背景
昨今の建設業界は、人手不足、長時間労働、技術者の高齢化などが深刻化している。また、2024年度から時間外労働の上限規制が適用されることから、作業の効率化や雇用の多様化等の働き方改革が求められており、建設機械の遠隔操作による課題解決に期待が高まっている。
建設機械の遠隔操作は、実際の工事現場で導入され始めていますが、広大な敷地において土を掘ってダンプカーに積む作業等、活用するエリアや適用するユースケースが限定的になっているのが現状で、十分な普及に至っていない。
今後、本格的な利用エリアの拡大や、より精緻な現場工程への適用等の多様なユースケースでの活用を推進していくためには、更なる操作性の向上や安全性の確保が課題となっていた。
■実証内容
実際の工事現場の建設機械を遠隔拠点のオフィス等から遠隔操作することを想定した際の効果を確認するために、遠隔操作用コックピットをNTT武蔵野研究開発センタに、建設機械を遠隔地の現場に設置し、2拠点間をAPNで接続して遠隔操作、および遠隔で現場環境の確認を実証するネットワークを構築した。
拠点や操作対象の建設機械が異なる下記2つのユースケースにおいて、建設機械の制御信号、および現場の映像等を低遅延かつ確定遅延で伝送し、建設機械の遠隔操作に関する動作実証を行った。
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