住友重機械工業が11月9日に発表した2023年12月期第3四半期連結累計期間(1〜9月)の受注高は7,525億円(以下、調整後前年同期比15.0%減)、売上高は7,725億円(同4.3%増)となった。営業利益は497億円(同18.7%増)、経常利益は503億円 (同14.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は225億円(同8%増)となった。
第3四半期における同社グループを取り巻く経営環境は、国内においては、一部底堅い分野があるものの、製造業を中心に設備投資は力強さを欠き、半導体市況の調整局面が続くなど、全般に弱さが見られた。
外においては、米国などで景気が緩やかに回復し、設備投資も堅調に推移する一方、欧州ではインフレ進展による経済の減速、東南アジアにおいても投資マインドの低下が見られた。中国においては、不動産市況の悪化により生産、 消費の持ち直しの動きが鈍く、需要の減少が続いている。また、調達品の需給逼迫が緩和する中、一部資材の価格上昇は継続し、加えてロシア・ウクライナ問題などの地政学上リスクが残るなど、依然として不透明感が高い状 態でもあった。
このような経営環境のもと、同社グループは「中期経営計画2023」を推進し、製品・サービスによる社会課題解 決を通じて持続的に企業価値を拡大することをめざし、強靭な事業体の構築、企業価値向上のための変革、SDGsへ の貢献拡大及び環境負荷低減への取組み強化などの施策を推進した。
■セグメント別の状況
①メカトロニクス
中小型の減・変速機やモータの需要が、欧米での顧客の在庫調整の影響や、中国での市況の低迷により停滞したことから受注は減少した。一方、受注残があったこともあり、売上、営業利益ともに増加した。
この結果、受注高は1,509億円(以下、調整後前年同期比 10%減)、売上高は1,620億円(同 13%増)、営業利益は95億円(同 114%増)となった。
②インダストリアルマシナリー
プラスチック加工機械事業は、中国では電気電子関連の需要が停滞し、国内や欧州においても投資の冷え込みにより受注、売上、営業利益ともに減少した。その他の事業は、半導体市況軟化に伴う顧客の在庫調整や投資先送りなどの影響を受け、受注は減少したが、受注残があったこともあり、売上、営業利益ともに増加した。
この結果、受注高は1,978億円(同 22%減)、売上高は2,004億円(同 5%増)、営業利益は175億円(同 5%減)となった。
③ロジスティックス&コンストラクション
油圧ショベル事業は、米国での前期の先行発注の反動減などにより受注は減少したものの、受注残があったこともあり売上、営業利益ともに増加した。その他の事業では、建設用クレーン事業が、北米の需要が底堅く推移したことから受注、売上ともに増加した。一方、固定費の増加などにより営業利益は減少した。また、運搬機械事業は、港湾クレーンでの大型 案件があったことから受注は増加したものの、当期売上対象となる案件が少なかったことから売上、営業利益と もに減少した。
この結果、受注高は2,970億円(同 4%減)、売上高は2,793億円(同 8% 増)、営業利益は181億円(同 38%増)となった。
④エネルギー&ライフライン
エネルギープラント事業は、国内のバイオマス発電設備の大型案件の減少により受注、売上ともに減少した。一方、欧州での大型プロジェクトにおける不採算案件の減少などにより営業利益は増加した。 その他の事業は、大型案件の減少及び前期に実施した一般廃棄物処理事業の譲渡の影響などにより受注、売上、営業利益ともに減少した。
この結果、受注高は1,023億円(同 31%減)、売上高は1,262億円(同 12%減)、営業利益は31億円(同 27%減)となった。
⑤その他
受注高は46億円(同 7%増)、売上高は46億円(同 10%増)、営業利益は15億円(同 1%減)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2023年8月7日の決算短信で公表した2023年12月期の連結業績予想(下記)を据え置いた。
売上高1兆 750億円、営業利益640億円、経常利益600億円、親会社株主に帰属する当期純利益380億円。
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