ローランド、創造性とサステナビリティをコンセプトとした新本社社屋の建設を決定

 ローランドは11月7日、現在本社を置く静岡県浜松市に、研究開発の中核拠点となる新本社社屋の建設を決定し、2024年8月より着工する予定だと発表した。

 ローランドは、1972年に大阪市で創業し、翌1973年に浜松市に工場を設立して以降、多くの開発・製造拠点を浜松に構え、革新的な電子楽器を世界に送り出してきた。2005年には細江工場(現 浜松市北区細江町)に本社を移転し、音楽の街・浜松から世界へ、最新の電子楽器を提案し続けている。

 新社屋は、今年取得する浜松市北区新都田の建物を増改築するもので、「創造性」、「柔軟性」、「経済性」を重視した設計となっている。「アンチスクラップ&ビルド」を合言葉に、既存建物を再利用した最小限の増改築計画とすることで、建物の建設、解体時に発生するCO2排出量の削減に大きく貢献する。

・新社屋建設にかかるCO2削減量:既存利用をする本計画は新築する場合に比べ約60%削減(1) ・新社屋運用にかかるCO2削減量:標準的なオフィスビルに比べ約45%削減(2)

*1:既存+増築床面積(20,330㎡)を新築する場合と、増築床面積(7,591㎡)のみを新築する場合を比較した際の面積比例として算出、解体にかかるCO2発生量は除く
*2:省エネ計算検討より、BEI=0.55(45%削減)

 既存の2棟を、増改築によってドーナツ状に接続した構造で、中央のアトリウム部を取り囲む明るく開放的な「Roland Circuit」は、社員のコミュニケーションと創造性を活性させる空間となる。中央部の「Roland Arena」は、社員やコミュニティのさまざまなアイデアを自由に実現できるパフォーマンス・スペースとなる。

 無理なく創造性や生産性を維持できる、ウェルビーイングに配慮した環境づくりを行うとともに、アトリウムからの自然光の導入や、自然換気による空調負荷の削減に積極的に取り組むことで、省エネルギーでサステナブルなオフィスの実現を目指す。

 完成後は、これまで市内の複数の事業所に分散していたローランドの研究開発部門を新社屋に集約することで「One Roland」を推進し、業務の質と効率をさらに高め、魅力ある製品・サービスを提供するとともに、社員がクリエイティブに、いきいきと働ける職場づくりを目指していく。

<新社屋概要>
所在地:静岡県浜松市北区新都田一丁目6番4号
建築面積:約7,202㎡ ※延床面積 約20,330㎡
建物概要:鉄骨造 地上3階
総投資額:約70億円(土地/建物取得、増改築、移転等、本プロジェクトに関する全ての費用を含む)
着工予定時期:2024年8月
竣工予定時期:2025年内
設計:MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO
プロジェクト運営(PM):レンドリース・ジャパン株式会社

■ローランド株式会社 代表取締役社長 ゴードン・レイゾン氏のコメント
 「ローランドの創業間もない時期から50年にわたって深い関係を築いてきた浜松で、新たな「クリエイティブ・ハート」とも言える新社屋の建設を発表することができ、大変うれしく思います。新社屋は、既存の建物を再利用しながらアップグレードを行うもので、コストを抑えながらも快適でサステナブルであることを目指して、社員からの提案や、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO様の協力を得て設計されました。
 ここ数年の間、当社は世界各地にあるオフィスの環境整備を続けてきました。今年5月には、東京オフィスを新しい場所に移転しましたが、それに続いて浜松エリアの拠点を集約・リニューアルすることにより、社員同士のコミュニケーションが深まり、全社員が創造性をフルに発揮できる環境を作りあげることができると確信しています。
 新社屋完成の際には、現在浜松市内に点在している研究開発部門や、サポート部門を同社屋に集約する予定です。これまで以上に社内のコミュニケーションやアイデアの創出が活性化し、さらなるイノベーションを生み出すことができると考えています。これからのローランドにぜひご期待ください。」

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