クボタ、23年1~9月売上は15.7%増の2兆2,582億円、通期は前回同額の2兆9,500億円(10.2%増)

 ㈱クボタが11月8日に発表した2023年12月期第3四半期連結累計(2023年1~9月)業績によると、売上高は前年同期比3,057億円(15.7%)増加して2兆2,582億円と なった。国内売上高は機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前年同期比309億円(7.0%)増の4,725億円。海外売上高も機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前年同期比2,748億円(18.2%)増の1兆7,857億円とな った。

 営業利益は金利上昇によるインセンティブコストの増加や原材料価格の上昇、インフレによる諸経費の増加などの減益要因はあったが、値上げ効果や為替の改善効果などにより、前年同期比789億円(43.8%)増の2,589億円 となった。税引前利益は営業利益の増加により前年同期比741億円(38.2%)増加して2,684億円となった。 法人所得税は704億円の負担、持分法による投資損益は16億円の利益となり、四半期利益は前年同期比517億円 (35.0%)増の1,995億円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を487億円(36.4%)上回る 1,824億円となった。

 クボタ2023年第3四半期データ

■部門別の概況
<機械部門>
 同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成されている。
 売上高は前年同期比16.7%増加して1兆9,914億円となり、売上高全体の88.2%を占めた。 国内売上高は前年同期比5.4%増の2,421億円となった。主に農業機械及び建設機械の増加により増収となった。
 海外売上高は前年同期比18.4%増の1兆7,493億円となった。北米では、建設機械の販売が住宅建設や政府のインフラ開発需要により増加したほか、トラクタも在庫充足が進み、特に草刈機の販売が増加したことで増収となった。欧州では、建設機械が公共工事需要に支えられ堅調に推移したほか、トラクタも在庫充足が進み販売が増加したことで、増収となった。アジアは、タイでは干ばつをはじめとした天候不順に よる農業機械の買い控え傾向が続いた。インドは畑作市場の堅調さと前第2四半期よりEKL社を連結子会社化したことにより増収となった。
セグメント利益は、金利上昇によるインセンティブコストの増加や原材料価格の上昇、インフレによる諸経費の増加などの減益要因はあったが、値上げ効果や為替の改善効果などにより前年同期比53.1%増加 して2,800億円となった。

<水・環境部門 >
 同部門はパイプシステム事業(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材事業(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境事業(各種環境プラント、ポンプ等)により構成されている。

 売上高は前年同期比9.9%増加して2,515億円となり、売上高全体の11.1%を占めた。
 国内売上高は前年同期比10.5%増の2,152億円となった。パイプシステム事業が堅調に推移したほか、環境事業の売上も伸び、増収となった。海外売上高は前年同期比6.7%増の364億円となった。主に産業機材事業で、反応管が海外プラント新設需要に支えられ堅調に推移し、増収となった。
 セグメント利益は原材料価格の上昇を値上げ効果で補い、前年同期比51.7%増加して162億円となった。

<その他部門>
 同部門は各種サービス事業などにより構成されている。売上高は前年同期比11.9%減の153億円となり、売上高全体の0.7%を占めた。 セグメント利益は前年同期比55.3%減少して13億円となった。

■連結業績予想に関する定性的情報

 2023年12月期の連結業績予想は、為替相場が想定よりも円安に推移していることや現在の市場動向を踏まえ、売上高は前回予想時(2023年8月4日)と同額の2兆9,500億円(前期比10.2%増)、営業利益は100億円増の2,950億円(同37.6%増)に修正した。税引前利益は前回予想比90億円増の3,070億円(同32.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は前回予想比50億円増の2,050 億円(同31.0%増)とした。

 業績予想における想定為替レートは、1米ドル=139円、1ユーロ=150円としている。

 クボタの2023年12月期第3四半期決算短信

 決算説明資料