日立建機、遠隔操作ソリューションに対応した油圧ショベルRBTシリーズ、2024年5月より発売

・ICT施工やエリアコントロール機能で遠隔操作のサポートも可能

 日立建機は11月7日、遠隔操作ソリューションに対応した油圧ショベル「RBT(アールビーティー)シリーズ」を、日本国内向けに2024年5月より発売すると発表した。

 第1弾のラインアップは、遠隔操作を行うための「RBTリモコン」を備えた2機種の中型油圧ショベルZX200A-7(20トンクラス)と、ZX330A-7(30トンクラス)。いずれの機種も、ZAXIS-7シリーズのICT油圧ショベルをベースとしており、遠隔操作でICT施工を行うことも可能。販売目標台数は、2機種合計で年間10台を見込んでいる。

 シリーズ名の「RBT」には、オペレータが車体に搭乗せずに働くロボット「READY TO BE ROBOT」という意味を込めている。日立建機は、遠隔操作ソリューションをラインアップに加えることで、施工現場への遠隔操作の導入を促進し、安全性の向上や労働環境の改善など、顧客の課題解決に寄与する。

 昨今、施工現場においては、安全性や生産性の向上、労働環境の改善、労働力不足による技能者の人財育成などが課題となっている。その解決策の一つとして、建設機械の遠隔操作や自動運転に対し、顧客からの期待が寄せられている。

 こうしたニーズに対応するため、日立建機は2020年8月に自律型建設機械向けシステムプラットフォーム「ZCORE(ズィーコア)」を開発し、2023年5月にはZCOREに基づき遠隔操作・自動運転ソリューションに対応した油圧ショベルの開発について発表した。その後は、顧客に実際に操作してもらうなどの実証試験を通じて、現場導入に向けたさまざまなニーズを反映しながらブラッシュアップを行い、今回、「RBTシリーズ」としての発売に至った。

 現在、建設機械の遠隔操作は、災害復旧現場や人が立ち入れない環境での作業など、特定のシーンや業種において行われている。油圧ショベルで遠隔操作を行うには、機械の大幅な仕様変更が必要で、導入の手間や工数などが課題となっていた。

 今後、一般的な建設・土木工事の顧客向けに、遠隔ソリューションに対応した油圧ショベル「RBTシリーズ」を提供し、施工現場の課題である労働環境の改善、安全性や生産性の向上、人財育成の強化をめざして、顧客とのさらなる協創を推進する。

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