三菱ロジスネクストが11月6日に発表した2024年3月期第2四半期(4〜9月)連結業績によると、売上高は、3,437億7千2百万円(前年同期比23.0% 増)となった。利益面では、コスト高の影響を受けながらも、計画を上回るペースでの米州を中心とした出荷促進と価格適正 化の効果拡大が寄与して売上高が増加したことで、営業利益は227億3千7百万円(同2,259.3%増)、経常利 益は210億6千万円(同2,214.7%増)となり、評価性引当額の取崩し等による税金費用の減少も加わって、親会社株主に帰属する四半期純利益は165億6千2百万円(前年同期14億2千6百万円の損失)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、営業利益は278億1千1百万円(前年同期比347.3%増)となり、営業 利益率は8.1%(同5.9ポイント増)となっている。
第2四半期連結累計期間における世界経済は、インフレ率の鈍化は見られるも依然として高い水準にあるた めに各国中央銀行による金融引き締め策は維持されており、また、ロシアによるウクライナ侵攻も長期化して収束が見通せない状況の中で、その成長は益々鈍化・減速している。コロナ禍からの急激な回復局面で引き起 こされた輸送運賃の高騰は収まったものの、インフレ下においては、人件費の高騰だけでなく燃料費、部品費な ど広範囲でのコスト高を引き起こし、国内外でその影響が大きくなっている。
このような中、フォークリフトを始めとする物流機器市場は、国内においては、コロナ禍前と同様の水準で依然として堅調に推移しており、海外においては、米州は景気の減速感もあって買い控えによる需要減少傾向にあ りながらも、安定した物流ニーズの下、前年度に引き続いてコロナ禍前を上回る需要を維持している。
一 方、欧州はインフレ影響もあり景気停滞が長期化し、一時の反動需要からは縮小したのち停滞している。ま た、アジアはウクライナ情勢の影響は比較的軽微であったが、インフレ・利上げの影響から若干弱含みに推 移しており、中国はゼロコロナ政策の解除により回復基調にはあったものの、不動産市場の悪化もあり景気は減速、物流機器市場も回復期待水準にまでは及ばない状況。
三菱ロジスネクストにおいては、大きな課題であった、様々な部品供給の遅れによるリードタイムの長期化は解消傾向にはあるが、コスト高の状況は継続している。そのような中でも、グループ全体としては充分な受注高を確保しつつ、国内、海外において欠品解消による生産整流化、出荷の促進を推し進め、それに伴って価格適正化の効果も拡大してきている。しかしながら、高いインフレ水準が続く中で、足許では中東情勢の悪化も加わり、 世界経済の先行きは依然として不透明で予断を許さない状況が続いている。
■セグメントごとの経営成績
(国内事業)
国内事業は、受注が堅調に推移する中、部品欠品が解消傾向に向かい、また、価格適正化の効果も寄与し始め、売上高は928億8千7百万円(前年同期比15.6%増)となった。セグメント利益は、依然としてコスト 高の状況は解消されないながらも、売上高の増加に加えて輸出事業における海上輸送運賃の高騰沈静化並びに為替の円安影響も寄与し、31億3千3百万円(前年同期15億円の損失)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は55億5千4百万円(前年同期比506.8%増)となっている。
(海外事業)
海外事業は、計画を上回るペースでの米州の販売台数増加に伴って価格適正化の効果が拡大し、また、為替の円安影響も追い風となり、売上高は2,508億8千5百万円(前年同期比25.9%増)となった。セグメント利益は、売上高の増加が大きく寄与し、196億3百万円(同695.7%増)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は222億5千7百万円(同319.8%増)となっている。
特に海外事業の前年同期は、価格適正化がコロナ禍以降のインフレ下におけるコスト高をまだカバーできてい ない状況だったが、それ以降徐々に部品欠品が解消されていくことで生産を拡大、出荷を促進して、海外事業の 売上高並びにセグメント利益を大きく増加させている。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
連結業績予想については、第2四半期連結累計期間までの実績を踏まえて、通期の業績予想及び配当予想を下記に修正した。
売上高6,900億円(前期比12.1%増)、営業利益400億円(同171.9%増)、経常利益360億円(209.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益230億円(同232.7%増)を見込んでいる。
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