川崎重工、建設機械の走行操作制御用電気リモートコントロールユニット 「ERUP2/L」の量産を開始

 川崎重工業は11月2日、建設機械向け走行制御用電気リモートコントロールユニット「ERUP2/L(イーアールユーピーツーエル)」を10月から量産を開始したと発表した。

 この製品は主にパワーショベルの走行操作を電気制御するための、2軸型電気ペダル。一般財団法人日本品質保証機構(JQA)の協力のもと、機能安全設計に関する国際規格IEC 61508※1およびISO 13849※2への適合に関して取得したTÜV-NORD(テュフ ノルド)※3認証が適用されている。

<製品の特長>
・操作部に川崎重工の油圧式ペダルと同様の機構を採用することで、建設機械に最適な操作性を実現。

・川崎重工の油圧式ペダルと取付けピッチが共通であり、置換が容易
非接触式の角度センサを適用しており、高い耐久性を保有。

・建設機械の揺れによる意図しない急操作を抑制するためのダンパ※4を保有。

 近年パワーショベルなどの建設機械は電気制御化が進んでおり、電気制御対応機器の適用が増加しつつある。この製品は電気制御建設機械の走行制御用として開発しており、従来の油圧式からの置換が可能。電気制御化することで、油圧配管がなくなり機器のレイアウトがしやすくなる。また、ICT(Information and Communication Technology)施工、自動運転への対応や実機の制御性を任意に変更できるようになり、作業者の熟練度に依存しない操作が可能になる。

 川崎重工は1990年代初頭に最初の電気リモートコントロールユニットを開発・量産開始して以来、約30年間で、累計55万台の受注(納入)実績を有している。ERUP2/Lはこれまでに培ってきた電気制御技術を用いて開発しており、高い耐久性と優れた操作性を併せ持ち振動低減による快適性の向上に寄与する製品。

 川崎重工は今後も、これまでに培った技術力と実績を活かしながら、さらなる製品価値向上に努め、建設・インフラ工事の安全や生産性の向上を通じて人々の豊かな生活の実現に貢献していく。

※1 IEC 61508:IEC(国際電気標準会議)が制定したコンピュータ・ソフトウェアを含む電気・電子・プログラマブル電子による安全制御システムに関する基本安全規格

※2  ISO 13849:ISO(国際標準化機構)が制定した機械類の安全制御システムに関する基本安全規格

※3  TÜV-NORD(テュフ ノルド):ドイツ・ハノーバーに本部を置く国際的な第三者認証機関

※4  ダンパ:操作速度に応じて操作力を減衰させる装置

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