川崎重工業は9月5日、世界初となるドライ方式で水素専焼が可能な燃焼器を搭載した1.8MW級ガスタービンコージェネレーションシステム「PUC17MMX」の販売を開始したと発表した。
天然ガスに比べて燃焼速度が速く、燃焼温度が高い特性を持つ水素を燃料とした発電設備では、NOx排出量の増加や燃焼器部品の過熱などが課題として挙げられる。川崎重工はマイクロミックス燃焼と追焚き燃焼を独自に組み合わせることで、この課題に対応したドライ方式の水素専焼燃焼器の開発に成功した。安定的な水素燃焼を実現することで、大気汚染防止法のNOx規制値を超えない低NOx運用が可能。また、水素と天然ガスの混焼運転にも対応しており、水素を体積比で50%から100%までの任意の割合で利用できることから、水素の供給量に応じてフレキシブルに運用できる。
なお、この燃焼器は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「水素社会 構築技術開発事業」の一環として、「ドライ低NOx水素専焼ガスタービン技術開発・実証事業」(2019年度~2020年度)、「水素CGSの地域モデル確立に向けた技術開発・研究」(2021年度~2022年度)において開発した技術を活用している。
川崎重工は、将来的な水素エネルギーの普及を見据え、水素サプライチェーン(つくる・はこぶ・ためる・つかう)の構築を推進している。日本のCO2発生量の約4割を占める発電分野において、水素を「つかう」ガスタービンは脱炭素化に貢献する重要な製品の一つであり、川崎重工は今後もさらなる水素 燃料対応のガスタービン燃焼技術の開発を進めていく。
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