MHIET、3,000kVA級発電装置の新モデル「MGS3100R」を開発

・工場、ビル、病院やデータセンター向けなどに販売開始
2023-08-22
・昨今の電力需給逼迫や災害時における停電への事業継続計画(BCP)対策として、工場やビル、病院、データセンターなど幅広い業界からの高出力な非常用発電装置のニーズに応えるべく、シリーズ最大の高出力モデルを投入
・トップレベルの省スペース性を実現し、設置性の向上に貢献。データセンターに求められる各規格に準拠した性能・品質基準に対応

 三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET、相模原市中央区)は8月22日、発電装置のMGS-Rシリーズの新モデル「MGS3100R」を販売開始したと発表した。昨今のデジタル社会によるデータ通信量の増加を背景としたデータセンターの大規模化や、工場のDX化・自動化に伴う大型機器の導入などにより、停電時のバックアップ電源として高出力な非常用発電装置が求められており、そうしたニーズに対応したもの。同発電装置は、MHIETのシンガポール及びベトナム拠点で生産し、アジア地域を中心とした世界中の顧客に届ける。

 MGS3100Rは、コモンレール式電子制御燃料噴射システムを採用した新開発エンジン「S16R2-PTAWT-CR」を搭載し、3,025kVA(スタンバイ出力・ミッションクリティカル出力)、2,750kVA(プライム出力・プライムDCP出力)に対応している(50Hz)。また2段冷却式エアクーラを適用して冷却システムの最適化を図り、ラジエータのサイズ縮小を行うことにより、同出力レンジでトップクラスの省スペース性を実現し、設置性の向上に貢献する。

 またMGS3100Rは、発電装置に対する動特性のISO規格で規格最高水準に当たるClass G3(ISO8528-5)、全米防災協会(NFPA:National Fire Protection Association)が定める発電装置の始動性能に関する基準であるNFPA110で規定されている10秒での急速始動に対応している。データセンター事業者をはじめとする幅広い業界の顧客における各規格に準拠した性能・品質基準を求める声にお応えしたもの。

 MGS-Rシリーズは、アジア地域においてエンジン・発電設備の組立・販売を行うMitsubishi Heavy Industries Engine System Asia Pte. Ltd.(MHIES-A)及びMHI Engine System Vietnam Co., Ltd.(MHIES-V)が生産する発電装置。他社製のエンジンを導入して装置を組み上げるメーカが多い中、エンジンメーカであるMHIETが発電装置をデサインすることで高い信頼性を有しているのが特長。全世界で累計12,000台以上の販売実績を誇っている。

 MGS-Rシリーズにおける新モデルMGS3100Rの追加投入により、MHIETは今後も見込まれる分散型電源の需要増大に加え、災害や有事に備えるBCPとレジリエンス強化の一環として、様々な業界に向けた豊富なラインアップの発電装置を取り揃えていく。

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