澁谷工業は8月10日、半導体製造装置メーカーである綜和機電(埼玉県入間市)と株式譲渡契約を締結し、綜和機電の発行済み株式の99%を2023年10 月2日付(予定)で取得すると発表した。
澁谷工業と綜和機電とは、2022年 11 月に業務提携契約を締結して交流を進めてきたが、さらに関係を緊密とし、半導体製造装置分野の製造販売の強化を図るために、今回資本参加することによりグループ会社にすることを決定した。
綜和機電はICパッケージを検査するテストハンドラ、ICパッケージにレーザマークするレーザマークハンドラを製造販売しており、近年は特にパワー半導体(※)関連装置を主体に事業展開している。パワー半導体は車載機器、産業機器、データセンターなどの新たな市場での成長が見込まれており、製造装置市場は 2035年には 2022年比2倍以上になると予測されて いる。綜和機電はパワー半導体製造装置に必要となる大電流・大電圧測定技術を有しており高性能パワー半導体市場に強みを持つが、需要に対して生産が追いつかない状況となっている。
澁谷工業のメカトロ事業部は電子部品を検査するハンドラや半導体チップを基板に実装するフリップチップボンダなどを製造販売しており、また澁谷工業のグループ会社である㈱カイジ ョーは超音波を用いて半導体と基板とをワイヤで接続するワイヤボンダやその前工程製品のダイボンダを製造販売しており、これにより、新たな市場に進出する。
今回のM&A により、各社の技術、生産および営業・サービス機能の活用を図りシナジー効果を生むことにより、急速に拡大を続けるパワー半導体向け製品を拡充し、シブヤグループの業容拡大に寄与するものと期待している。なお、パワー半導体製造装置の3年後の年間売上高は15億円を目指している。
<綜和機電株式会社の概要>
所在地:埼玉県入間市上藤沢 498
設立:1988年6月
資本金:100 百万円
売上高:254 百万円(2022年9月期)
社長:山村 博
従業員:13人
事業内容:半導体製造/検査装置の設計製作及び販売
※ パワー半導体:電力の制御や変換を行う半導体デバイスの総称で、扱う電圧や電流が大きいことが特徴です。自動車、家電、パソコンやスマートフォン、産業機器などに幅広く使われている。