・建設現場特有の作業環境に適応
大成建設は8月21日、「生産プロセスのDX」の一環として、建設現場特有の作業環境に適応可能な自律走行搬送ロボットシステム「T-DriveX」を開発したと発表した。
同システムは、資機材の配置や障害物の位置が施工状況に応じて日々変化する建設現場の環境下において、自由度の高い自動搬送を行うことにより資材搬送の省人化を実現する技術で、フォークリフト型ロボットと軽量タイプのパレット型ロボットの2機種で構成されている。
今回、この2機種を首都圏内の建設現場に導入して行った実証実験により、その実用性を確認した。このうちフォークリフト型ロボットは、大成建設、ラピュタロボティクスおよび住友ナコフォークリフトが共同開発したもので、「ランダムピックアップ機能」を搭載している。
建設業界では、社会の高齢化に伴う労働力確保への対応、長時間労働環境の改善が命題とされるなか、ロボット等のICTを活用して労働生産性の向上を図り、働き方改革を推進することが業界全体の急務となっている。建設工事の各工程の中でも、ロボット等の導入による省人化と作業効率の向上が求められる分野のひとつに建設現場での資材搬入がある。建設現場では搬入車両の荷卸しから各フロアへの資材搬送、フロア内指定箇所への資材ごとの運搬に至るまで多くの人手を必要とすることから、これまでにも資機材の搬送を省人化する様々なシステムの導入が試みられてきた。しかし、現状の普及型自動搬送システムは、搬送物が一定条件に基づいて置かれていることを前提としており、搬送対象となる資材の位置や向き、種別の判別、さらに資材の有無や保管場所の探索まで行えるような高度な機能は備えていなかった。
そこで大成建設は、これらの課題を踏まえ、従来のICタグやマーカーの配置などによる誘導を必要とせず、AIによる画像解析やマッピング技術を用いることで建設現場特有の作業環境でも対応できる自律走行搬送ロボットシステム「T-DriveX」を開発した。このうちフォークリフト型ロボットに搭載されたランダムピックアップ機能は、搬送物を探索しながら識別して自動搬送することができる従来にない高度な機能であり、建設現場だけでなく幅広い分野での活用が期待される。
詳細は、ニュースリリース