㈱クレハ(東京都中央区)は8月22日、いわき事業所(福島県いわき市)において、フッ化ビニリデン樹脂(以下、PVDF)の生産設備を増強 すること決定したと発表した。
PVDF はリチウムイオン二次電池(以下「LiB」)用バインダーおよび一般産業用エンジ ニアリング・プラスチックとして使用されているが、近年では各国の環境保護意識の高まりなどにより、車載用 LiB 向け需要の拡大が続いている。
現在クレハグループでは、クレハいわき事業所(年産 6,000 トン)と中国子会社(年産 5,000 トン)に生産設備を有しているが、顧客からのさらなる供給拡大の要請に応え、クレハ最大の事業と位置づける PVDF 事業のさらなる拡大を図るため、環境負荷低減技術も含めた、過去最大の投資規模となる生産設備の増強を行う。
クレハグループでは、新中長期経営計画「未来創造への挑戦」において、機能製品セグメン トの事業拡大を中心とし、とりわけ PVDF 事業の将来性に期待した成長シナリオを描いている。新規生産設備稼働までの間は、既存生産設備の生産能力拡大、新グレードの開発、 グローバルでの最適な供給体制構築の検討などにより、収益向上策を実施していく。
経済産業省による「蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術・開発促進事業の採択事業への助成金」および「経済安全保障法に基づく認定供給確保計画(蓄電池)の認定供 給確保計画への助成金」に対するクレハの申請は、いずれも経済産業省に採択されている。
<新規生産設備の内容>
所在地:福島県いわき市錦町落合 16
取得資産:生産設備及び建屋
完工予定:2026 年 3 月
増強規模:年産 8,000 トン
投資総額:約 700 億円
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