日揮ホールディングスは8月14日、日揮が、中外製薬のグループ会社である中外製薬工業より、バイオ原薬製造棟を新設するプロジェクトを受注したと発表した。
バイオ医薬品は、特定の細胞や組織に作用し高い効果や副作用が少ないことが期待できる医薬品として近年、急速に市場が拡大している。
プロジェクトは、中外製薬工業の宇都宮工場内に、第1相、2相臨床試験用を含む中期段階以降の治験薬製造、および初期商用のバイオ原薬製造を担う製造棟を新設するもの。同設備の導入により、中外製薬グループのバイオ原薬の臨床開発から初期生産までの一貫した自社供給基盤が強化され、同グループ創製品の高速上市に貢献する。
また、従来のバッチ式の生産方式に加え、灌流培養の導入など連続生産機能を新たに実装することによる生産効率化、さらには同社が推進する環境負荷低減対応(ノンフロン設計、省エネルギー設計)などに取り組むことで、次世代のバイオ医薬品工場の実現にも寄与している。
日揮グループは、医薬分野における国内のリーディングコントラクターとして、1980年代より約半世紀にわたり数多くの医薬品プラントの設計、建設を手掛けてきた。こうした豊富な実績と知見に加え、今回の受注は現在同社の藤枝工場内で遂行中の低・中分子医薬品の合成原薬製造棟建設プロジェクトでの遂行実績を評価されたと考えている。
バイオ医薬品は分子構造の複雑さゆえに製造難度が高く、高度なエンジニアリングが要求される。日揮グループは今後もこうした製造技術の高度化や多様化する顧客ニーズに対し、実績に基づく知見と技術を活かした最適なソリューションで応えていくことで医薬品分野の発展と世界の医療ニーズに貢献していく。
<プロジェクトの詳細>
契約先:中外製薬工業株式会社
建設場所:栃木県宇都宮市(中外製薬工業 宇都宮工場内)
役務範囲:バイオ医薬品製造棟に係る設計・調達・建設工事(EPC)
契約形態:ランプサム契約
受注額:非公開
竣工・引渡し:2026年5月(予定)