DMG森精機、23年1〜6月売上は14.4%増の2,495億円、通期予想は10.6%増の5,250億円に上方修正

 DMG森精機 が8月3日に発表した2023年12月期第2四半期累計(1〜6月)連結業績によると、売上収益は2,495億円(前年同期比14.4%増)、営業利益は226億円(同27.5%増)、税引前四半期利益は197億円(同21.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は149億円(同32.0%増) となった。

 第2四半期累計の連結受注額は、前年同期比7.9%減の2,758億円と、期初想定以上の受注水準となった。5軸加 工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、フルターンキー化、DX(デジタル・トランスフォーメーショ ン)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を実現するMX(マシニング・トランスフォーメーション)への 需要は引き続き堅調。顧客への付加価値提案力が向上し、機械1台当たりの受注単価が56.8百万円(2022年 度平均:49.8百万円)へと大きく上昇したことが主因。また、連結受注の約20%を占めるサービス・補修部品 の受注額も前年同期比15%増と寄与した。

 地域別受注額は、前年同期比、欧州(構成比:52%)が5%減、米州(同:18%)が13%減、日本(同:12%) が15%減、アジア他(同:6%)が22%減、となった。一方、中国(同:12%)は3%増となった。米州 は受注の引合い件数は高水準を維持している。

 産業別の需要は、宇宙・航空、医療、EV(電気自動車)、エネ ルギー関連が引き続き堅調に推移している。

 年度の連結受注見通しについては、第2四半期の堅調な受注状況を踏まえ、期初計画の5,000億円から5,200億 円へと増額修正した。

 機械本体の受注残高は、2022年12月末の2,540億円から、2023年6月末には2,820億円ま で増加した。2023年12月末の受注残高は2,550億円程度を見込んでおり、豊富な受注残が、引き続き来期 以降の業績安定に寄与する。 

 2023年~2025年を期間とする「中期経営計画2025」でも掲げているとおり、工程集約・自動化・DX・GXにより、 顧客へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供することを、同社は目指している。顧客の加 工ニーズへのソリューションを一気通貫で提供できる企業としての基盤強化に取り組んでいく。

 同社は、基礎から5軸加工機での高度な加工まで幅広いトレーニングを提供する場として、DMG MORI ACADEMYを 金沢及び浜松で開所した。2025年にかけて、全国5か所に研修施設を新設する計画を進めており、今後、仙台、岡山、福岡での開所を予定している。各拠点で提供する実機でのトレーニングとデジタルアカデミーを組み合わせることで、より効果的な教育を実現することができる。工程集約や自動化によるDX、省資源化を進める GXの実現に向け、MXを推進していく。

 また、日本全国の高等専門学校と提携し、2023年8月より「デジタルものづくり実践講座」の提供を開始する。経済産業省の補助金により実現し、高専における最新の工作機械の知識や操作経験の不足に対応する。講義、自己学習、実習授業の3つの形式で構成され、高専生が工作機械業界の現状と未来や切削加工現場で安全に働くためのコツを学び、実際に加工・自動化体験を行う。また、VR技術を活用した心理的障壁の軽減も目指している。同講座を通して、将来の製造業を担う人材育成を支援していく。

 技術面では、コネクティビティサービス「DMG MORI GATEWAY」の提供を開始した。このサービスは工場内の工作機械や周辺機器をネットワークに接続し、DXを実現する。また、顧客のネットワーク構築に関する専門知識や人材の不足に対応し、ハードウェアの提供からクラウドへの接続までワンストップで対応する。さら に、工場内のすべての設備を接続することで様々な情報のデータ化が可能となり、稼働状況の可視化や生産性向上 が実現する。今後もより多くの顧客ニーズに応えるため、高機能かつ信頼性の高い商品を市場へ投入していく。

 販売面では、9月にドイツ・ハノーバーで実施される「EMO HANNOVER 2023」への出展を予定している。そ の他、小規模商談会「テクノロジーフライデー」も引き続きグローバルに開催している。今後もデジタルとリ アルの両方で顧客とつながり、顧客ニーズに沿った提案を行っている。

 また、同社では「よく遊び、よく学び、よく働く」をモットーに掲げ、従業員の心身の健康を重要視し、継続的 な健康施策を展開している。2021年に健康経営宣言を発表し、健康管理増進センターを通じて食育支援や運動教室などの取組みを行っている。さらに、有給休暇の積極的な取得を推進するなど、従業員の充実した生活をサポートするために、公私のバランスを重視した様々な制度を導入している。2023年には経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023」の大規模法人部門 ホワイト500に認定された。今後も、従業員の心身のさらなる健康向上に向けた取組みを全社的に進めていく。

 さらに、同社は持続可能な社会を目指し、人と自然が共生できる社会、資源循環型の社会に向けた取組みを行っ ている。今回、同社グループ最大の生産拠点である三重県・伊賀事業所に自家消費型太陽光発電システムを 導入した。2023年2月から第1期の発電が開始しており、今後第2期、第3期の発電開始も予定している。第3期の発電開始後には、伊賀事業所の年間電力需要量の約30%を賄い、年間約5,300トンのCO2排出量を削 減することができる。さらに、奈良事業所でも太陽光発電システムの導入を計画している他、CO2フリー電力の 購入やバイオマス熱電併給システムの稼働など、様々な取組みを行っている。今後も再生可能エネルギーの活 用拡大を図るとともに、CO2排出量の削減に貢献していく。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2023年12月期の連結業績予想については、2023年2月8日に公表した通期の連結業績予想から、上半期において、グローバルで受注が好調に推移したことから、売上収益及び営業利益の予想値を上方修正した。

 2023年12月期の業績(連結)の見通しは、売上収益5,250億円(前期比10.6%増)、営業利益525億円(同27.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益335億円(同31.9%増)。

 DMG森精機の2023年12月期 第2四半期決算短信

 決算ニュースリリース

 決算説明資料