ソディック、23年1~6月売上は14.8%減の335億円、通期予想は13%減の700億円に下方修正

  ㈱ソディックが発表した2023年12月期第2四半期累計(1~6月)連結業績によると、売上高334億79百万円(前年同期比14.8%減)、営業損失3億90百万円(前年同期は営業利益34億79百万円)、経常利益8億41百万円(前年同期比85.9% 減)、親会社株主に帰属する四半期純損失1億3百万円(前年同期は41億 21百万円)となった。

 第2四半期連結累計期間のソディックグループを取り巻く環境は、原材料・エネルギー価格の高止まりなど世界的な インフレ、サプライチェーンの混乱、金融政策の引き締めによる景気後退の懸念、ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学的リスク等、先行き不透明な状況が継続。このような外部環境のもと、自動化や電動化が進む自動車市場ではCASE関連向けに継続的な需要があるものの、 半導体・電子部品向けの需要は在庫調整や設備投資を抑制する動きも見られ、国内・海外市場ともに調整局面が継続し、低調に推移した。

  ソディックグループは、「創造」「実行」「苦労・克服」おでぃっくの精神のもと、顧客へ最高の価値を提供し、「未来を創る」企業としてものづくりを通して社会の持続的な発展に貢献すべく取り組んでいる。自動車や通信分野をはじめとした技術革新、省人化ニーズの高まり、カーボンニュートラル・持続可能な開発目標(SDGs)の促進を背景に、ものづくりの現場においても、更なる高精度化、高速化、自動化はもとより、操作性の向上、電力使用量や廃棄物の削減、工程集約、DX化の推進等が求められている。これらの「進化するものづくりへの貢献」を重要な経 営課題と捉え、新製品開発の促進、トータルソリューションの展開、アフターサービスの充実、DXを活用した付加 価値の提供等、事業の拡大とサステナビリティの取り組みを一体で推進している。

  営業・サービス活動においては、世界四大工作機械見本市の一つである中国国際工作機械展覧会「CIMT 2023」やアジア最大規模のプラスチックやゴムに関する展示会「Chinaplas 2023」、食品等の製造加工・包装に関するアジア最大級の国際展示会「ProPak Asia 2023」等の多数の展示会に積極的に出展し、ソディックブランドの浸透と拡販に努めた。また、今後さらなる成長が見込める中南米での積極的な事業展開、拡販を目的に、メキシコに販売会社を設立し、7月より本格的に事業展開を開始した。

 ソディック2023年第2四半期データ

■セグメント別の経営成績

<工作機械事業>

  売上高24,201百万円 (前年同期比14.3%減)/営業利益 1,457百万円 (前年同期比 2,481百万円減)

 CASE関連向けの需要が引き続き堅調であるほか、欧米において航空宇宙関連向けの需要が回復基調であるものの、依然として日本、中華圏、アジアにおいて半導体・電子部品向けの需要は低調であり、売上高は前年同期比で減少となった。

 セグメント利益においては生産調整に伴う工場の収益性低下や人件費の増加等により前年同期比で大幅に減少した。一方でものづくりの高度化は今後も継続するとみられ、高速・高精度加工のニーズが高まるほか、操作性向上、省エネ対応、長時間の安定加工や加工物の大型化・複雑化等も重要な機会と認識している。高精度な加工が求められる地域と顧客を視野に、強みのある放電加工機の一層の拡販と同時に、中長期的に大きな成長が期待できる金属3Dプリンタ、精密マシニングセンタについても、技術開発の推進や販売体制の強化により、高付加価値加工ニーズを取り込んでいく。また、自動車業界、半導体業界、ディスプレイ業界、建材業界などを大きく変革する技術として 有望視されているレーザー加工機について8月に準備室を立上げ、開発等を進めていく。

 <産業機械事業>

  売上高4,418百万円 (前年同期比 15.8%減 )/営業利益 5百万円 (前年同期比 538百万円減 )

  日本においてCASE関連向けの需要が堅調に推移した一方で、スマートフォン及び電子部品の需要減少により、売上 高は前年同期比で減少となった。半導体・電子部品向けの市況軟化に伴う顧客の在庫調整や投資先送りの影響等を受け、産業機械業界の調整局面は継続するものと想定され、厳しい事業環境が見込まれる。

  一方で長期的には、中華圏、アジア地域において、ものづくりの高精度化が進展し、ソディックが得意とする超高精度の射出成形機の需要が高まることが予測される。また、電力使用量や成形に伴う廃棄物の削減ニーズについても重要な機会と認識し、同事業を展開している。

<食品機械事業>

 売上高 2,448百万円 (前年同期比 4.4%増 )/営業利益 97百万円 (前年同期比 94百万円増 )

  国内外における製麺機関連設備や海外向けの無菌包装米飯製造装置等の需要が堅調に推移しており、売上高は前年同期比で増加した。中華圏、アジアを中心とした海外市場で食の高品質化やインフラの整備等で生麺や米飯の需要が高まることが期待される。ソディックは海外営業部門を新設し、東アジア・東南アジア・アメリカを中心に事業展開をしていく。

 また、製麺機と米飯製造システムの生産体制強化に向け、2023年1月より中国厦門工場内に食品機械新工場が稼働開始。同年11月には加賀事業所内に食品機械新工場が完成予定で、新技術の開発やコストダウン等を図るなど競争力をさらに強化していく。今後も、これまで実績のある米飯・製麺設備はもとより、別分野の市場への進出も視野に入れて営業活動を展開するほか、強みであるメンテナンスサービスをより一層強化することで事業拡大を図っていく。

<その他>

 売上高 2,411百万円 (前年同期比 30.8%減)/営業利益 △291百万円 (前年同期比 568百万円減 )

  精密コネクタなどの受託生産を行う金型成形事業、リニアモータやセラミックス部材の販売等を行う要素技術事業から構成されている。金型成形事業においては自動車関連向けの需要が低調であることに加えて、セラミックスの外販についても、半導体市場において在庫調整が継続するなど需要が弱含んでおり、売上高は前年同期比で減少した。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2023 年 12 月期通期連結業績予想については、売上高は、食品機械事業は下期にかけて製麺機・米飯 装置ともに案件が進捗する見込みだが、工作機械事業及び産業機械事業においては、厳しい状況が継続する見込みであり、期初予想を下回る見込み。利益面においては、生産調整は一巡し、工場稼働率は回復に向かうと見ているが、原材料価格等の高騰及び高水準な人件費の継続などを鑑み、利益は上記の通り下方修正した。

 売上高700億円(前期比13.0%減、前回予想は817億円)、営業利益1億5,000万円(同97.4%減、前回予想47億円)、 経常利益14億円(同83.1%減、前回予想47億円)、親会社株主に帰属する当期純利益0(前回予想32億円)と修正した。

  上記の修正予想の前提となる下期の主な為替レートは、1ドル 145 円、1ユーロ 157 円を想定している。

■役員報酬の減額

 なお、ソディックは業績予想の修正内容に関し、経営責任を明確にするため、2024年3月まで代表取締役社長の報酬25%カットをはじめとする役員報酬減額を決議した。

 ソディックの2023年12月期第2四半期決算短信

 第2四半期決算説明資料

 通期連結業績予想の修正と役員報酬の減額について(リリース)