アマダ、23年4〜6月売上収益は16.9%増の865億円、23年度予想3,750億円(2.5%増)は据え置き

 ㈱アマダが8月8日に発表した2024年3月期第1四半期(4〜6月)連結業績によると、売上収益は86,522百万円(前年同期比16.9%増)となり、このうち、国内は27,981百万円(前年同期比10.3% 増)、海外は58,541百万円(前年同期比20.3%増)となった。

 営業利益は、サプライチェーンの混乱やロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー・資源の不足を起点とする部品・部材価格の上昇、欧米を中心とした人件費の上昇があったものの、販売価格の改善や調達環境の改善を背景とした生産高の増加による操業度効果などに加え、為替が円安に推移したこともあり12,044百万円(前年同期比54.7 %増)となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益が9,365百万円(前年同期比60.3%増)となった。

 アマダ2024年3月期第1四半期データ

■事業別・地域別の概況

①金属加工機械事業
 売上収益は71,043百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益は9,785百万円(前年同期比63.9%増)となった。

日本:国内では景気回復基調にあるものの、補助金の大型採択に加え、同社のリードタイムの長期化に伴う先行受注があった前年同期の反動減を背景に受注額は減少した。しかしながら、物流倉庫の建築需要の増加などにより、建設・住宅関連やFA機器関連の売上が拡大し、売上収益は18,549百万円(前年同期比13.7%増)となった。

北米:米国では金融引き締めが継続しているものの、人流の回復や政府補助金の対象である米国内サプライチェーン強化や基幹産業強化により、建築関連や空調関連が好調に推移し、販売価格の改善も進んだこと から売上収益は19,903百万円(前年同期比24.0%増)となった。

欧州:インフレや金利上昇による景気後退の影響が懸念されたが、一昨年から調達遅延が課題となってい たベンディングマシンの制御部品の調達がおおむね正常化したことなどにより、フランスやスペインを中心に販売が伸長し、売上収益は15,877百万円(前年同期比16.2%増)となった。

アジア他:中国の景気後退により輸出面での影響はあるものの、旺盛な内需を背景に建設・配電盤関連が比較的好調を維持している台湾などが売上を牽引し、売上収益は9,108百万円(前年同期比23.1%増)となった。

<微細溶接部門>
 全地域でEV関連の電装品やモーター、電池などの加工に用いられるレーザ溶接機器が売上を牽引した。 部品・材料の供給制約や中国におけるロックダウンの生産への影響による前年同期の反動もあり、売上が大きく伸長した

②金属工作機械事業
 売上収益は15,156百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益は2,023百万円(前年同期比28.3%増)となった。

<切削・研削盤部門>
 国内において鋼材業関連は慢性的な人手不足の状態が続いており、バンドソー、コンベア、ドリル穴あけ等を組み合わせた複合加工ラインに対するお客様の投資意欲が高く、販売が増加した。海外は北米、欧州向けのバンドソーマシンが好調に推移した。

<プレス部門>
 国内では主要顧客である自動車業界の昨年度後半からの減産により、前年同期に売上が好調だった戦略商品のタンデムラインの案件が当期は落ち込み、減収となった。海外は中国でプレスマシンの大口販売があり売上を押し上げた。

■今後の見通し
 2024年3月期の連結業績見通しは、売上収益375,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益50,000 百万円(同0.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益34,500 百万円(同1.0%増)と前回予想を据え置いた。

 アマダ の2024年3月期第1四半期

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