アイダエンジニアリングが8月8日に発表した2024年3月期第1四半期(4〜6月)連結業績によると、受注高は、電気自動車向け高速プレス機の 需要は堅調に推移するも、前年同期における駆け込み受注の反動により22,679百万円(前年同期比28.6%減)となり、受注残高は過去最高の76,155百万円(前年度末比8.3%増)となった。売上高については、電気自動車関連の高速プレス機の売上増加及び円安影響等により16,867百万円と前年同期 比23.4%増となった。
利益面では、原材料費、外注費、物流費等の原価高騰があったものの、増収及び製品ミックス改善による粗利率改善で、営業利益は671百万円(前年同期は営業損失121百万円)、経常利益は748百万円(前年同期は経常損 失117百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は473百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損 失175百万円)となった。
第1四半期における世界経済は、コロナ禍からの正常化が進むとともに半導体等の供給制約も 改善に向かい、全体として回復基調にあるが、ロシア・ウクライナ問題の長期化や、高インフレに伴う金融引き締めが経済活動の重荷となるとともに、今後も米中対立等の地政学的リスク等も懸念されることから下振れ リスクが拭えない状況。鍛圧機械製造業界は、国外案件の減少により、第1四半期の受注は前年同期比 9.2%減の42,392百万円(一般社団法人日本鍛圧機械工業会プレス系機械受注額)となった。
■セグメントごとの経営成績
日 本:大型プレス機(個別機)の売上減少により売上高は8,546百万円(前年同期比4.2%減)となり、セグ メント損益も売上不足や原価高騰等の影響により118百万円の損失(前年同期は97百万円のセグメント 損失)となった。
中 国:前年度のロックダウンによる落込みの反動でプレス機械、サービス売上ともに増加し、売上高は3,544 百万円(前年同期比100.0%増)となり、セグメント利益も増収により196百万円(同600.4%増)となった。
アジア:アジア地域や米州拠点向け汎用プレス機売上の増加等により、売上高は2,893百万円(前年同期比31.3 %増)となり、セグメント利益は増収と粗利率の改善等により338百万円(同252.6%増)となった。
米 州:大型プレス機(個別機)売上が減少し、売上高は3,235百万円(前年同期比11.4%減)となり、セグメ ント損益は製品ミックスの改善で粗利率は改善したが、全体の売上不足により16百万円の損失 (前年同期はセグメント損失98百万円)となった。
欧 州:電気自動車関連の需要増加等によりプレス機械売上が増加し、売上高は4,482百万円(前年同期比 120.6%増)となり、セグメント利益は原価高騰等で粗利率は低下したが、増収効果により79百万 円の利益(前年同期は1百万円のセグメント損失)となった。
■今後の見通し
2024年3月期の見通しについては、2023年5月15日に公表した下記の連結業績予想を据え置いた。
売上高720億円(前期比4.7%増)、営業利益47億円(同205.2%増)、経常利益49億円(同186.5%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益36億円(177.9%増)。
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