三菱ロジスネクスト、23年4〜6月売上は22.8%増の1,661億円、23年度予想6,300億円は変えず

 

 三菱ロジスネクストが8月4日に発表した2024年3月期 第1四半期(4〜6月)連結業績によると、売上高は、1,661億2千7百万円(前年同期比22.8% 増加)となった。利益面では、コスト高の影響を受けながらも、出荷の促進や価格適正化の効果が寄与して売上高が増加したこと で、営業利益は103億2千2百万円(前年同期15億9千7百万円の損失)、経常利益は96億2千9百万円(前年同 期14億7千万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は66億8百万円(前年同期15億3千9百万円の損 失)となった。のれん等償却の影響を除くと、営業利益は128億2千9百万円(前年同期比1,077.3%増加)、営業利益率は 7.7%(同6.9ポイント増)となっている。

 第1四半期における世界経済は、インフレ抑制を目的とした各国中央銀行による利上げあるいは その維持が継続しているもののインフレは収まらず、また、ロシアによるウクライナ侵攻も長期化して収束が見通 せない状況で、その成長は減速している。コロナ禍からの急激な回復局面で引き起こされた輸送運賃の高騰は収まってきた一方で、インフレ下においては、人件費の高騰だけでなく燃料費、部品費など広範囲でのコスト高を 引き起こし、国内外でのその影響が大きくなっている。

 このような中、フォークリフトを始めとする物流機器市場は、国内においては、コロナ禍前と同様の水準で依然として堅調に推移しており、海外においては、米州は景気の減速感もあって買い控えによる需要減少傾向にありながらも、安定した物流ニーズの下、前年度に引き続いてコロナ禍前を上回る需要を維持している。一方、欧州 はインフレ影響もあって景気が停滞して、一時の反動需要からは縮小傾向で推移しながらも、コロナ禍前と同様の水準を維持している。また、アジアはウクライナ情勢の影響は比較的軽微であったが、足許ではインフ レ・利上げの影響から若干弱含みに推移しており、中国はゼロコロナ政策の解除により回復基調にはあるものの、 市場期待にまでは及ばない状況。

 三菱ロジスネクストにおいては、大きな課題であった、様々な部品供給の遅れによるリードタイムの長期化は解消傾向にはあるが、コスト高の状況は継続している。そのような中でも、グループ全体としては充分な受注高を確保しつ つ、国内、海外において欠品解消による生産整流化、出荷の促進を推し進め、それに伴って価格適正化の効果も拡大させてきている。しかしながら、足許では日米での金利政策反転の兆しもあり、現在のインフレ下における 世界経済の先行きは依然として不透明で予断を許さない状況が続いている。

 三菱ロジスネクスト2024年3月期第1四半データ

■セグメントごとの経営成績

(国内事業)
 国内事業は、受注が堅調に推移する中、部品欠品が解消傾向に向かい、また、価格適正化の効果も寄与し始め、 売上高は447億1百万円(前年同期比14.6%増加)となった。セグメント利益は、依然としてコスト高の状況 は解消されないながらも、売上高の増加に加えて輸出事業における為替の円安影響も寄与し、17億6千2百万円 (前年同期9億1千7百万円の損失)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は29億7千2百万円(前年同期比925.6%増加)となっている。

(海外事業)
 海外事業は、米州での販売台数増加に加え、価格適正化の効果が寄与し、また、為替の円安影響も追い風となっ て、売上高は1,214億2千6百万円(前年同期比26.1%増加)となった。セグメント利益は、売上高の増加が 大きく寄与し、85億6千万円(前年同期6億7千9百万円の損失)となった。なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は98億5千7百万円(前年同期比1,132.3%増加)となっている。
 特に海外事業の前年同期は、価格適正化がコロナ禍以降のインフレ下におけるコスト高をまだカバーできていない状況だったが、それ以降徐々に部品欠品が解消されていくことで生産を拡大、出荷を促進して価格適正化の効果 が順調に表れており、海外事業の売上高並びにセグメント利益を大きく増加させている。

■今後の見通し
 連結業績予想については、売上高6,300億円(前期比2.4%増加)、営業利益250億円(同70.0%増加)、経常利益230億円(97.5%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益130億円(同88.0%増加)を見込んでいる。

 2023年5月10日に公表したものから変更はない。

 なお、その場合ののれん等償却前営業利益は350億円、のれん等償却前営業利益率は5.6%となる。

 三菱ロジスネクストの2024年3月期第1四半期決算短信