㈱クボタが8月4日に発表した2023年12月期第2四半期連結累計(2023年1~6月)業績によると、売上高は前年同期比2,607億円(20.7%)増加して1兆5,200億円と なつた。国内売上高は機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前年同期比160億円(5.3%)増の3,151億円となった。海外売上高も機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前年同期比2,447億円(25.5%)増の1兆2,050億円となった。
営業利益は原材料価格の上昇や金利上昇によるインセンティブコストの増加、インフレによる諸経費の増加などの減益要因はあったが、値上げ効果や為替の改善効果などにより、前年同期比658億円(55.4%)増の1,846億円 となった。税引前利益は営業利益の増加により前年同期比614億円(47.0%)増加して1,918億円となった。 法人所得税は527億円の負担、持分法による投資損益は9億円の利益となり、四半期利益は前年同期比388億円 (38.3%)増の1,401億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を373億円(40.7%)上回る 1,288億円となった。
■部門別の概況
<機械部門>
同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。同部門の売上高は前年同期比22.8%増加して1兆3,442億円となり、売上高全体の88.4%を占めた。国内売上高は前年同期比4.7%増の1,629億円となった。主に農業機械及びエンジンの増加により増収となった。
海外売上高は前年同期比25.7%増の1兆1,813億円となった。北米では、トラクタで在庫充足が進み販売が増加したほか、建設機械も住宅建設のバックログの消化と政府のインフラ開発需要により販売が増加し、増収となった。欧州では、建設機械、エンジンが公共工事需要に支えられ堅調に推移したほか、トラクタも在庫不足緩和により販売が増加したことで、増収となった。アジアは、タイでは干ばつ懸念による農業機械の買い 控えが発生し苦戦した。インドは前第2四半期よりEKL社を連結子会社化したことに加え、畑作市場も冬作物 の豊作により好調だったため増収となった。
同部門のセグメント利益は、金利上昇によるインセンティブコストの増加や原材料価格の上昇、インフレによる諸経費の増加などの減益要因はあったが、値上げ効果や為替の改善効果、増販などにより前年同期比 72.4%増加して1,984億円となった。
<水・環境部門 >
同部門はパイプシステム事業(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材事業(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境事業(各種環境プラント、ポンプ等)により構成。
同部門の売上高は前年同期比8.5%増加して1,656億円となり、売上高全体の10.9%を占めた。 国内売上高は前年同期比7.6%増の1,420億円となった。パイプシステム事業では合成管が堅調に推移したほか、環境事業の売上も伸び、増収となった。 海外売上高は前年同期比13.9%増の237億円となった。主に産業機材事業で、反応管が海外プラント新設需要に支えられ堅調に推移し、増収となった。
同部門のセグメント利益は原材料価格の上昇を値上げでカバーし、前年同期比2.1%増加して99億円となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成。 同部門の売上高は前年同期比11.8%減の102億円となり、売上高全体の0.7%を占めた。 同部門のセグメント利益は前年同期比37.8%減少して11億円となった。
■2023年12月期の連結業績予想は10.2%増の2兆9,500億円
2023年12月期の売上高は前回予想時(2023年2月14日)から500億円増の2兆9,500億円(前期比10.2%増)を見込んでいる。為替相場が想定よりも円安に推移していることにより海外売上高が増加する見込みのため、上方修正した。
営業利益の予想については、売上高予想、為替及びインフレーションの動向などを踏まえ、前回予想を150億円上方修正し、2,850億円(同32.9 %増)とした。また、税引前利益は前回予想比200億円増の2,980億円(同28.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前回予想比140億円増の2,000億円(同27.8 %増)とした。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=132円、1ユーロ=144円としている。
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