ナブテスコが7月31日に発表した2023年12月期第2四半期連結累計期間(1〜6月)の業績によると、売上高は、前年同期比14.6%増の162,997百万円、営業利益 は、同10.2%増の8,690百万円となった。精密減速機においてEV関連への設備投資による大型産業用ロボット向けの高い需要が継続したことに加え、航空機器での需要が順調に 回復し、舶用機器でも需要が好調だった。また、㈱ハーモニック・ドライブ・システムズ株式の売却完了に伴う評価益等を計上したことにより、税引前四半期利益は 15,485百万円(前年同期は△5,674)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は9,452百万円(同△ 4,248)となった。
■セグメント別概況
<コンポーネントソリューション事業>
コンポーネントソリューション事業の受注高は、前年同期比10,023百万円(△13.3%)減少し65,276百万円となった。売上高は、同10,063百万円(15.5%)増加し74,785百万円、営業利益 は、同190百万円(2.6%)増加し7,394百万円となった。
精密減速機は、EV関連への高い設備需要が継続し、特に大型の産業用ロボット向け需要が好調で あったことから、売上高は前年同期比で増加となった。
建設機械向け油圧機器は、中国市場において需要低迷が続いたものの、欧米、東南アジア市場での需要が堅調に推移し、売上高は前年同期並みとなった。
<トランスポートソリューション事業>
トランスポートソリューション事業の受注高は、前年同期比9,351百万円(25.3%)増加し46,362百万円となった。売上高は、同5,047百万円(16.2%)増加し36,171百万円、営業利益 は、同1,640百万円(81.5%)増加し3,651百万円となった。
鉄道車両用機器は、MRO(Maintenance, Repair, Overhaul)は堅調に推移したものの、国内市場 で新車向け投資の抑制が継続し、売上高は前年同期比で減少となった。
航空機器は、防衛省向け及び民間航空機向けともに需要が順調に回復し、売上高は前年同期比で大幅な増加となった。
商用車用機器は、国内における顧客の減産影響が軽微となったことに加え、東南アジア向け需要が堅調であったことから、売上高は前年同期比で増加となった。
舶用機器は、国内外ともに新造船向けに加えMROでも高い需要が継続し、売上高は前年同期比で 大幅な増加となった。
<アクセシビリティソリューション事業>
アクセシビリティソリューション事業の受注高は、前年同期比3,220百万円(6.8%)増加し50,565百万円となった。売上高は、同4,799百万円(12.1%)増加し44,347百万円、営業利益 は、同394百万円(△13.9%)減少し2,435百万円となった。
自動ドア事業は、国内外の建物用ドア需要が堅調に推移したことに加え、為替及びフランスでの販売会社の買収効果により売上高は前年同期比で増加となった。
<その他>
その他の受注高は、前年同期比273百万円(△2.6%)減少し10,058百万円となった。売上高
は、同893百万円(13.1%)増加し7,694百万円、営業利益は、同355百万円(530.5%)増加し422 百万円となった。包装機は、電子部品不足が一部解消されたことにより、売上高は前年同期比で増加となった。
■今後の見通し
2023年12月期第2四半期連結累計期間の業績及び今後の動向等を踏まえ、2月10日に公表した2023年12月期通期の業績予想を下記に修正した。
2023年12月期の連結業績見通しは、売上高330,000百万円(前期比6.9%増)、営業利益19,000(同5.0%増)、税引前利益27,000(71.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益17,800(88.1%増)。
修正の理由:主に精密減速機において産業用ロボット向け需要が減退する見通しであることから、売上高、営業利益は、前回発表予想を下回る見込みとなった。税引前利益、親会社所有者に帰属する当期利益については、主にハーモニッ ク社株式の売却取引が完了したことに伴う金融収益等を織込む一方、営業利益の減少により、前回発表予想を下回 る見込みとなった。
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