㈱不二越が7月13日に発表した2023年11月期第2四半期連結累計期間(2022年12月〜2023年5月:上期)の売上高は、自動車・建設機械分野の一部で生産調整の影響などがあったが、産業機械・市販分野の堅調な需要と、設備需要の回復を受け、とくに、北米・中国を中心としたロボッ トの拡販や、工作機械・軸受などの回復・拡大により、1,352億64百万円(前年同期比10.8%増)となった。このうち、国内売上高は612億11百万円(同1.0%増)、海外売上高は740億53百万円(同20.4%増)となった。利益面については、売上・生産の増加による操業度の改善に加え、原材料価格上昇分の販売価格への環流 や、生産ラインの自動化・合理化、調達コストダウンにとり組み、また、為替も円安で推移したが、前期から継続する原材料・エネルギー価格高騰の影響や、固定費の増加などにより、営業利益は76億12百万円(同6.0%減) 、経常利益は期中における為替差損や支払金利の増加などにより、70億47百万円(同19.6%減)、 親会社株主に帰属する四半期純利益は47億27百万円(同18.9%減)となった。
第2四半期連結累計期間における不二越グループをとり巻く環境は、一部地域・業種で弱さがみられるものの、 総じて緩やかな回復が継続した。一方で、半導体不足による自動車の減産影響は緩和されつつあるが、ウクライナ情勢の長期化、原材料・エネルギー価格の高止まりなど世界的なインフレや各国の政策金利引き上げに伴 う景気後退懸念など、先行き不透明な状況が継続している。
このような状況のもと、不二越グループは、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据え、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり組んでいる。また、収益の改善に向けて、需要の変化に対応する世界の工場再編、合理化、内製拡大など、事 業全般の構造改革を推進している。
■セグメントの業績
機械工具事業では、電機・電子分野、EV関連でのロボットの拡販と、工作機械需要の戻りなどにより、売上高 は470億15百万円(前年同期比26.1%増)となり、営業利益は47億27百万円(同52.1%増)となった。
部品事業では、自動車・建設機械分野の一部で生産調整の影響があったが、産業機械・市販分野の需要が堅調に推移し、また、海外の自動車需要の回復を取込み、売上高は799億98百万円(同4.1%増)となった。一方、 営業利益は、原材料・エネルギー価格の高騰や固定費の増加により、24億26百万円(同44.2%減)となつた。
その他の事業では、特殊鋼需要の回復と、販売価格の引き上げなどにより、売上高は82億50百万円(同3.8%増)と なったが、営業利益は、原材料・エネルギー価格の高騰や、人件費など固定費の増加により、4億66百万円(同 27.3%減)となった。
■今後の見通し
2023年11月期の通期の連結業績予想については、2023年1月12日に公表した数値から変更。通期業績予想については、第2四半期累計期間の業績が前回発表予想に対して変動したことに 加え、現時点の需要動向を踏まえ、売上高、利益ともに下記のとおり修正した。
売上高2,700億円(前期比4.6%増)、営業利益 165億円(同3.1%減)、経常利益155億円(同9.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益110億円(同10.1%減) を見込んでいる。
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