三菱重工、ウズベキスタンの160万kW級GTCC発電所向けガスタービン2基を受注

・最新鋭のM701JAC形ガスタービンによる発電の高効率化でCO2削減に貢献

・同国電力セクターの2050年カーボンニュートラル実現に貢献、2026年の運転開始を予定

・ガスタービン供給に併せ技術員の派遣で据え付けおよび試運転をサポート、長期保守契約(LTSA)も締結

 三菱重工業は7月10日、ウズベキスタン共和国のシルダリヤ(Syrdarya)に建設される総出力約160万kWの同国最大規模となる天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所向けに、主力最新機種のM701JAC(J-series Air-Cooled)形ガスタービン2台を受注したと発表した。プロジェクトの主契約者である中国のHarbin Electric International Company Limitedとの間でこのほど機器供給契約を交わしたもので、2026年の運転開始を予定している。

 プロジェクトは、ウズベキスタンの首都タシケント(Tashkent)から約150km南に位置するシルダリヤで、フランス電力公社(EDF)、カタールの発電事業会社であるNebras Power Q.P.S.C.、双日、㈱キューデン・インターナショナルが出資する事業会社Enersok FE LLC(Enersok社)がGTCC発電所を建設・所有・運営し、完工後25年にわたりウズベキスタン国営送配電公社(JSC National Electricity Grid of Uzbekistan)に売電するもの。

 同国政府は、電力セクターのカーボンニュートラルに向けた2050年までのロードマップにおいて高効率かつ低炭素発電インフラの増強を掲げ、既存のガス火力発電のリプレースおよび近代化に優先的に取り組んでいる。プロジェクトは、老朽化した既設ガス火力発電を最新鋭の高効率コンバインドサイクル発電へと置き換えるもので、同国政府のエネルギー政策にも沿うもの。

 三菱重工は、プロジェクトの中核機器である次世代高効率ガスタービンを2台供給するほか、技術員を派遣して据え付け・試運転を支援し、併せて長期保守契約(LTSA)により信頼性のある運転をサポートする。

 今回採用されたJAC形を含むJ形ガスタービンシリーズは、稼働時間が200万時間を超え、製品の高い性能や信頼性が評価され国内外で順調に受注を拡大しており、その受注累計は109台に達した。

 Enersok社の最高責任者(General Director)であるChancel Regis氏は、次のように述べた。

 「シルダリヤ2発電所は、信頼性が高く低コストのエネルギーを供給することで、ウズベキスタンの堅調で持続可能な経済発展に貢献するものです。このプロジェクトを実現するために、この国で多数の実績があり、高い技術を有する三菱重工と協力できることを楽しみにしています」。

 ウズベキスタンで三菱重工は、これまでにF形やJAC形など大型ガスタービン12台を7案件向けに受注し、大型ガスタービンのシェアは80%を超えている。また、タシケントに建設される都市分散型の天然ガス焚きコージェネレーション(熱電併給)設備向けに中小型ガスタービンH-25形の受注を重ねるなど、同国の多様な電力・暖房需要を支える企業として受注・遂行実績を積み重ね、またLTSAに基づいた適切なメンテナンスを通して高い信頼性を維持することで、同国の安定的な電力供給に貢献してきた。

 三菱重工は、グループを挙げて高効率で環境に優しいGTCC発電設備の普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献していく。

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