ダイセキ環境ソリューション、バイオディーゼル燃料の分離膜による精製処理設備建設に着手

・「2023 年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金(リサイクル関係設備整備事業)」を採択

 ㈱ダイセキ環境ソリューション(名古屋市瑞穂区)は7月10日、バイオエナジーセンター(愛知県東海市浅山三丁目203)に分離膜による精製処理設備の導入を計画していると発表した。

 ダイセキ環境ソリューションは、廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料の生産によるカーボンニュートラル実現に向けて日々取り組 んでいる。バイオディーゼル燃料の精製方法として、これまで商用のプラントとしては世界的にみても事例の無い分離膜による精製方法を愛知県に提案することにより、「2023 年度愛知県循環型社会形成推進事 業費補助金(リサイクル関係設備整備事業)」の採択を受けた。この補助金を活用し、今年度中に分離膜 による精製処理設備の導入を計画している。

■背景と今回の取組みについて
 バイオディーゼル燃料はカーボンニュートラルな軽油代替燃料として、車両や建設機械、フォークリフト、発電機、 空港内特殊車両、船舶燃料など多くの場面で使われるようになり、今後高い需要が見込まれる。

 一方、これまでのバイオディーゼル燃料の精製は小規模な蒸留施設が使われることが多く、非効率で、環境負 荷の大きな精製方法だった。しかし、今回の分離膜による精製処理設備の導入により以下の効果が得られる。

・生産性の向上:年間精製能力 1,200kL(蒸留装置の約 17 倍)

・環境負荷の低減:同量蒸留法により生産した場合、年間 CO2 排出量 507t 削減 ※おおよそ日本人 300 人が 1 年間に排出する CO2 に相当

・高品質バイオディーゼル燃料 の利用普及:1,200kL を軽油使用量に置き換えると 3,000 トン以上の CO2 削減 ※おおよそ日本人 1,700 人が 1 年間に排出する CO2 に相当 これまで一般的には、JIS 規格 K2390、EN 規格 14214 などの規格を満たした製品の量産は出来ませんでし た。また昨今、次世代の燃料として水素やアンモニアが注目を集めていますが、これらの導入にはまだ技術的に克 服すべき課題も多く、導入コストが高額であることやインフラ整備が進んでいないといった課題がある。

 今回の設備によって、これら規格適合品の供給量が増えることにより、利用できるディーゼル機器の幅が広がる。あわせて廃食用油由来のバイオディーゼル燃料が担うべき役割は、これまで以上に大きなものとなる見込み。

 同社はバイオディーゼル燃料生産に関するこれまでのノウハウを生かすとともに、今回導入予定の分離膜処理設 備を最大限活用し、自社の CO2 削減を検討されている顧客の役に立てるよう努めていく。

 ニュースリリース