日本精工、産業機械で使用される直動案内装置の高作動化技術を開発

・転動体の競り合いを緩和し 「つまり」 の無いなめらかな動きを実現
・検査装置、測定機などの高精度化に貢献

 日本精工(以下NSK)は7月3日、産業機械で使用される直動案内装置、NSKリニアガイド™の高作動化技術を開発したと発表した。同技術により検査装置、測定機などの動きをよりなめらかにする。

 NSKは、同技術をNSKリニアガイドNH型/NS型のオプションとして販売を開始し、同技術を適用した製品の売上として2026年に年間5億円を目指す。

■開発の背景
 リニアガイドは、摩擦が小さくなめらかな動きが大きな特長。NSKリニアガイドNH/NS型は2014年に商品化され、この特長により半導体・液晶製造装置、自動車製造設備、搬送用ロボット、工作機械などの各種生産設備を中心に幅広い用途に採用されている。近年、装置の高度化や高精度化が加速している。その中でも、特に検査装置や測定機では装置をよりなめらかに動かす要求が多く、これを実現するためリニアガイドには、より一層の作動特性の向上が求められている。

■新製品の特長
 ボール循環路を最適化し、弾性ボールを適切に挿入することで不規則に発生する「つまり」(局部摩擦変動)を抑え、なめらかな動きを実現したリニアガイドを開発した。

 新製品は、検査装置や測定機などなめらかな動きを必要とする装置に最適であり、さらには、作動特性が悪くなりやすい垂直などの取付姿勢にもその効果を発揮する。

 また、NH/NS型と完全寸法互換のため設計変更を行うことなく置き換えが可能。

・高作動メカニズム
 リニアガイドのボール循環路には多くのボールが挿入されており、その経路内に曲線のリターン部が存在するためボール同士に「つまり」が発生することが作動特性を悪化させる要因の一つ。そこで、ボール循環路を最適化し、適切に弾性ボールを挿入することで、ボール同士の競り合い(ボール同士の接触による摩擦増加)を大幅に緩和し、なめらかな動きを実現した。

 詳細は、ニュースリリース