ファナックは6月22日、好評の協働ロボットCR、CRXシリーズに高可搬タイプを投入すると発表した。高可搬タイプの投入により、協働ロボットの適用範囲を広げる。
ファナックは、他社に先駆けて市場投入した35kg可搬の高い可搬能力を実現した緑の協働ロボットCRシリーズに、あらたに高可搬タイプを追加する。
新たな高可搬タイプは、CR-35iBを機構部の変更なく、可搬質量を35kgから50kgへと1.4倍、手首イナーシャも3倍にアップさせた。リーチは1,643mm、手首姿勢は下向きといった制限もなく自由に動かすことができる。安全柵の要らない協働ロボットながら、高可搬、高イナーシャを活かして、自動車のフロントガラスのような大きなワークのハンドリングや組立分野で活用できる。
ロボット本体質量、コンパクト性はそのままで、世界最高の50kg可搬まで対応できる。CRシリーズは標準の黄色いロボットをベースに協働ロボット化を図っているシリーズ。黄色いロボットに使い慣れた顧客は、違和感なく協働ロボット化を図ることができる。CR-35iBのベースロボットは市場で高い評価を受けているM-20iD/35を使用しており、操作性だけでなく、保守部品も共通。また、使いやすさを追求し、ロボットが初めての人でもすぐに使える協働ロボットCRXシリーズについても、あらたに高可搬タイプを追加する。CRXのあらたな高可搬タイプは、CRX-25iAを 機構部の変更なく、可搬質量を25kgから30kgへと1.2倍に強化した。リーチは1,756mm、こちらも手首姿勢は下向きといった制限もなく自由に動かすことができる。従来のCRXシリーズでは対応出来なかった大物ワークのパレタイジングや重量物のハンドリング、ダブルハンドへの対応も可能となった。
また、30kg可搬となっても軽快なダイレクトティーチや感度の良い接触停止機能は、損なわれることなく、従来のCRXシリーズと変わらない感覚で使える。保守についても他のCRXシリーズと同様に8年間のメンテナンスフリーとし、導入後のランニングコスト低減にも貢献する。両モデルともソフトウェアのアップデートにより、高可搬タイプへの変更が可能で、現在稼働中のロボットにも機構部の変更なく適用可能。
既存のCRシリーズ、CRXシリーズに、今回の高可搬対応を加え、5kgから50kg可搬と人が扱うワーク重量だけでなく、クレーン等の荷役設備が必要となるワーク重量をカバーできる。搬送、組立、工作機械へのロードアンロード、パレタイジング、研磨、溶接、検査など、人と協働、もしくは人のそばで作業するロボットを幅広いラインナップから選択することが可能になる。
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