・生産能力を 1.5 倍引き上げ、自動車等関連部品製造の旺盛な需要に応える
ニデックグループのニデックマシンツール(滋賀県栗東市)は6月26日、インドの切削工具の製造・販売会社 Nidec India Precision Tools Ltd.(インド タミル・ナド州ラニペット、以下、NMTI)に新工場を建設し、7 月 1 日(土)から生産を開始すると発表した。主な生産品目はホブカッタ、ピニオンカッタなどの切削工具で、これまでの生産能力から 1.5 倍引き上げる増産体制を整えた。新工場の稼働により自動車はじめ建設機械・農業機械などの高まる需要に対して、製品を素早く供給しインドでの顧客のニーズに応える。
新工場は、インド南部のチェンナイ近郊のラニペットにある 55,000 ㎡の同社敷地内に床面積 2,000 ㎡の工場を建設。歯車の外歯や内歯を加工するための切削工具(ホブ、ピニオン、シェービング、ブローチ)の製造ラインを敷き、生産能力を約 1.5 倍に拡大。併せて、リードタイム短縮と生産品種を広げ、幅広い顧客のニーズにスピーディに対応するほか、再研磨、リコートなどのアフターサービスの充実も図る。
同社の比較的近郊には自動車産業が集積するチェンナイ、ベンガルールがあり、二輪車・四輪車メーカーや工作機械メーカーの関連サプライヤーが多く、これら産業の多様なニーズに応え素早く供給するのが狙い。
また、2023年秋には顧客に製品実機を閲覧できるよう、新工場内に工作機械のショールーム機能を追加し、工作機械の販売拠点としても活用予定。
インドでは、人口増加1 を背景に自動車の販売台数が年率 10~15%2 で着実に増加すると予測されているほか、世界的な脱炭素社会への動きから自動車の EV 化の急伸や天然ガス(CNG)車のシェア拡大など、歯車を多数使用するトランスミッションの需要増も見込まれている。
NMTI は、1963 年の創業から 60 年にわたり当地で歯車加工用の各種切削工具の設計・製造・販売をしてきた。生産性が高く長持ちする切削工具は多くのユーザから支持を得ており、マーケットの拡大に伴い事業規模拡大にも取り組んできた。今回の増産投資は 2021 年のニデックグループ入り後、初となる大規模投資で市場の急拡大に即応できる供給基盤の確保と、高いコスト競争力による相乗効果の追求で顧客の期待に応えていく。
*1:国連人口基金(UNFPA)の推計では、2023 年央には人口 14 億 2860 万人に達すると発表
*2:インド自動車部品工業会発表(ACMA:AUTOMOTIVE COMPONENT MANUFACTURERS ASSOCIATION)より引用。
*3:Nidec India Precision Tools Ltd.
<インド拠点の概要>
事業内容: 切削工具の設計・製造・販売
所在地:No.2 SIPCOT Industrial Complex, Ranipet, Tamil Nadu, India
電話番号:+91-4172-244361
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