・世界の建機メーカーは厳しい状況でも売上は堅調
英国KHLが発行する「International Construction」は、最近、2022 暦年のドルベース売上高に基づいた建設機械メーカーの売上高ランキング、Yellow Table (イエローテーブル)を発表した。以下、当サイトが入手した同レポート概要から抜粋。
建設機械メーカーは近年、異常な状況に直面している。企業は、材料費や人件費の高騰、サプライチェーンの問題、特定の部品の不足に対処する必要があり、その一方で、多くの場合、自社製品に対する需要はかつてないほど高まっている。今年のイエローテーブルは世界上位50社のOEMの売上高をまとめたもので、2022年までの売上高を調査し、リストの上位50社のOEMがイエローテーブル史上最も多くの売上高だった前年の表に続いている。2022年の総額は2,306億ドルで、前年の2,327億ドルよりわずか0.4%減少した。
機械の販売に関して、2022 年は 2021 年からいくつかの大きな変化があった。最初の変化は中国で起こった。パンデミックの影響で世界のほとんどの地域で機械の販売が落ち込んだが、2020年と2021年には景気刺激策の効果で中国では実際に販売が増加したが、国のゼロコロナ政策に沿った販売の枯渇により事業が妨げられ、売上が減少した。
■売上高シェア(地域別、企業別)
アジアのイエローテーブル企業が生み出す売上高は44.8%に低下した。このセクターが 1 つの地域にそれほど依存していないことを意味するため、これは業界にとってより健全な数字であると主張できる。この減少の主な理由は中国にあり、OEM が生み出す総売上高は 24.4% から 18.2% に減少した。
北米では、売上高で世界最大の OEM である キャタピラー と現在第 4 位の OEM である ジョンディアの好調な業績に支えられ、23.2% から 26.8% へと大幅な増加が見られる。
ヨーロッパでは、昨年の 2 6.3% から 27.5% へとわずかに増加した。ヨーロッパではトップ 10 に 4 社が入っている。ボルボ CE が 6 位、リープヘルが 7 位、サンドビックが 9 位、JCB が 10 位。
企業別では、キャタピラーは売上高を370億ドルにまで引き上げ、2位のコマツやその他のチャートとの差はさらに拡大した。コマツの売上高は為替換算調整後若干減少したが、徐工(XCMG)は3位に留まり、上位3社は前年と変わらなかった。中国を拠点とする OEM は海外市場での販売拡大により一層注力しており、この戦略により XCMG は単独で ディア に次ぐ 3 位を維持したが、三一(Sany )は順位を 1 つ落として 5 位となり、ディア に抜かれた。ディア は、Wirtgen(ヴィルトゲン)の買収以来、近年着実に順位を上げている。
ボルボCE はヨーロッパで最も高い位置にある企業であり、 6 位に留まっている。リープヘルは 7 位に上昇し (前年も順位を 1 つ上げた)、次に日立建機、サンドビック、JCB の企業が 1 つ順位を上げている。英国に本拠を置くJCBは、OEMにとって最大の市場であるインドでの回復によりトップ10に返り咲いた。それが売上の向上につながる。これらの企業はすべて、中国に拠点を置く中联重科(Zoomlion)のおかげで順位を1つ上げている。7 位から 12 位に急落したが、OEM は近年急速に順位を上げている。
昨年は、イエローテーブルにかなり大きな変化があった。現代重工業による斗山インフラコアの買収により、イエローテーブルは現代斗山インフラコアとなり、現代建設機械も子会社である新しい現代純正グループの子会社となった。現代斗山インフラコア は Develon にブランド変更されたことに注意。斗山ボブキャットは独立した企業として運営を続けているため、最後の表では「新規参入」として記載。このコンパクトなスペシャリストは非常に好調で、トップ 10 圏内からわずか 1 つ順位を上げた。姉妹会社のDevelonと現代建設機械の売上高を合わせると、同チャートで12位にランクされることになる。
■2023年は約7%減少する見通し
おそらく、来年のイエローテーブルはわずかに下がるだろう。建設業界は世界的なパンデミック、ウクライナ戦争、インフレ問題、熟練労働者不足の波に乗りながら非常に堅調で、そして、今年のチャートがこれまでにチャートに記録された最大の数字をわずか0.4%下回っていることは、2022年が本当にどれほど強かったかを知る何らかの兆候であり、世界の建設機械売上高は 2023 年に約 7% 減少すると予測されている。
ネット上の海外ニュース等より抜粋
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