㈱スギノマシン(富山県滑川市)は6月20日、EV(電気自動車)の部品で使用されている、アルミフレーム部品やバッテリートレイの加工に最適な商品、最大6本の主軸を有する大型部品加工機「GIGAFEEDER(ギガフィーダ)」を開発したと発表した。
■装置概要
「GIGAFEEDER」は、同社製のドリリング・タッピングユニット「SELFEEDER(セルフィーダ)」をベースとした主軸を最大6本搭載できる、大型部品加工機。#30ツールのATCが可能で、それぞれがXYZの移動軸を保有している。これ1台で、穴あけやタップ加工だけでなく、カッタやエンドミルを用いたフライス加工まで行うことが可能。
また、広い加工エリアが特長で、アルミバンパーやシャシー、バッテリートレイといった大柄なEV部品の切削を、省スペースで行うことができる。生産性の向上と設備投資費の抑制をまとめて実現する。
■開発背景
近年、世界各国でガソリン車の新車販売を廃止しようとする風潮が強くなっている。自動車メーカー各社は「次世代のクルマづくり」に舵を切っており、その最たるものであるEV(電気自動車)には、ガソリン車並みの航続距離を確保することが求められている。航続距離を伸ばすためには車体の軽量化が必須で、EV部品には、従来のガソリン車にはなかった新たな材質の構成部品が増えてきた。中でも特徴的なのが、メガ(ギガ)キャスティングと呼ばれる大型アルミダイカスト部品。
大型アルミダイカスト部品は、寸法的には大柄だがアルミを使用しているため軽く、見た目に反して軽切削で作られる。部品が大きいことから、大型アルミ部品の加工現場では、次のような課題を抱えている。
・部品サイズに伴って加工設備本体が大きくなり、従来と比較して工場のスペースを占領してしまう
・車体構造部品のため加工精度はそれほど厳しくなく、また軽切削や穴あけ・タップ加工が中心であるが、
新しい部品であるため、専用の加工設備が少ない。
これらの背景から、EV部品の加工に十分な加工能力を持ちながらも省スペースで、単位面積当たりの生産性が高い商品を目指し、同商品を開発した。
詳細は、ニュースリリース
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