三井E&S DU、可変圧縮比機構 (VCR機構)の世界初号機を受注

 ㈱三井E&S(東京都中央区)のグループ会社である㈱三井E&S DU(兵庫県相生市)は6月14日、可変圧縮比機構(Variable Compression Ratio system、以下「VCR機構」)を世界で初めて受注したと発表した。

 このVCR機構は、日本郵船が㈱大島造船所に発注した2隻のLNG燃料大型石炭船用に搭載される主機「6X62DF-2.1」デュアルフュエルエンジンに組み込まれるもので、当該本船は2025年に竣工する予定。

 VCR機構は、エンジン出力やLNG燃料の性状に応じた最適圧縮比に調整することにより、運航負荷など使用条件にも依るが、ガスモードでは約3%、ディーゼルモードでは約6%の燃費を改善することができ、船舶運航時の燃料費とCO2の削減に大きく貢献する。

 また、脱炭素化目標の達成に向け新しい燃料や技術を採用する際にも、さらには、既存船の性能改善の際にも、VCRは重要な役割を果たすことができる。

 従来から圧縮比を可変することによる効果は周知されていたが、複雑な構造による様々な制約のため、技術的に開発が困難でした。三井E&S DUは、前身である㈱播磨造船所時代の1948年から大型舶用低速エンジンの製造に携わっており、今まで培ってきた豊富な経験と、多岐にわたる産業分野で蓄積された最新の油圧、シール、潤滑、構造強度、制御などの卓越した技術を十分に応用し、様々な要素試験の積み重ねにより、このほど、三井E&S DUが製造する大型舶用低速エンジンのライセンサであるウィンターツール ガス&ディーゼル社(所在地:スイス)と共に商用化することができた。

 三井E&S DUは、顧客の様々なニーズに応えるべく、今後もウィンターツール ガス&ディーゼル社と連携し脱炭素社会の実現に貢献していく。

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