アイカ工業、ベトナム工場を拡張、倉庫棟・物流ヤードの地鎮祭を実施

・2024年1月稼働予定、製造設備増設により生産能力は2倍に

 アイカ工業(名古屋市中村区)は6月12日、グループ会社であるアイカ・ラミネーツ・ベトナム社(ドンナイ省)が、工場拡張に伴い敷地内に新設する原材料・製品倉庫棟と物流ヤードの地鎮祭を、6月6日(火)に執り行ったと発表した。先行して進めている化粧板製造設備の増設とともに2023年12月まで工事を行い、2024年1月より稼働する予定。

■設備投資の背景と目的
 同社グループは、国内建設市場の動向に左右されにくい骨太な経営体質への変革を目指して海外での事業展開を推進している。建装建材事業においては、日本国内でシェア No.1 を誇るメラミン化粧板(以下、「HPL」)を海外でも拡販すべく、生産拠点の整備や技術移転、販売網の構築に注力しており、建装建材海外事業の売上高は55億円(2018年度)から188億円(2022年度)へと、4年間で約3.5倍に急拡大している。今後もさらに、同社が得意とする高意匠・高品質なHPLの需要がアジア地域で高まる見通しであることに加え、日本国内における需給バランスもひっ迫することが想定されている。これを受けて、アイカ・ラミネーツ・ベトナム社で増産設備投資を行い、生産能力を2倍に引き上げることを決定した。

 アイカ・ラミネーツ・ベトナム社は2023年4月から既存工場内で一部の設備追加工事を進めていたが、敷地内に新規に建設する原材料・製品倉庫棟と物流ヤードの着工を機に、このほど地鎮祭を執り行った。2023年12月まで工事を行い、2024年1月より稼働する予定。

 今回の生産能力増強により需要増に対応することに加え、これまでに獲得した販売網・生産拠点・技術・ブランド力を活かしながら、アジア地域のHPL市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立することで、2026年度には建装建材海外事業売上高300億円を目指していく。

<設備投資の概要>
設備投資の内容:化粧板の製造設備(乾燥機ライン、プレス機、カット機等)の増設および原材料・製品倉庫棟と物流ヤードの建設
設備投資額 :総額約13.2億円(2,240億7,000万ベトナムドン、ベトナムドン=0.0059円にて計算)
工事期間:2023年4月~2023年12月末(予定)
※原材料・製品倉庫棟と物流ヤードの建設工事は2023年6月~2023年12月中旬
稼働開始日:2024年1月(予定)

<アイカ・ラミネーツ・ベトナム社の概要>

名称:Aica Laminates Vietnam Co., Ltd. (アイカ・ラミネーツ・ベトナム社、略称「ALV」)
所在地:Road 4, Nhon Trach 3 IP-Phase 2, Long Tho Commune, Nhon Trach District, Dong Nai Province, Vietnam
事業内容:メラミン化粧板・メラミン不燃化粧板の製造・販売
設立:2017年12月5日
資本金:3,800万USドル
代表者:取締役社長 中正 博文 (Hirofumi Nakasho)

・建装建材海外事業の主なできごと

1974年:アイカインドネシア社設立(インドネシア)
2000年 :テクノウッドインドネシア社設立(インドネシア)
2011年:アイカ・ラミネーツ・インディア社設立(インド)、ボンベイバーマ社の化粧板事業譲受
2012年:台湾愛克工業股份有限公司設立(台湾)(2022年子会社化)
2017年:アイカ・ラミネーツ・ベトナム社設立(ベトナム)
2018年:アイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社設立(タイ)
2019年:アイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社を通じてソイス・メンディニ社(中国)へ出資、子会社化
2019年:ウィルソナート社アジア太平洋地域子会社の株式を取得し子会社化
2020年:CHIグループの事業を継承したアイカHPLトレーディング社(ベトナム)の株式取得、子会社化

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