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大日本印刷、約130億円投じて三原工場(広島県)の製造ラインを増強

・高機能光学フィルムの広幅コーティング装置を新たに増設

・市場や顧客企業のニーズに先行して対応

 大日本印刷(東京都新宿区)は6月13日、大型化が進むテレビ向けの光学機能性フィルムの製造に最適な最大2,500mm幅に対応可能なコーティング装置を新たにDNPの三原工場(広島県三原市沼田西町小原73-1)に導入すると発表した。

 今回、2台目のラインとして2,500mm幅対応のコーティング装置を導入し、生産能力は面積ベースで従来と比較して15%以上向上する。これにより、65インチ(ヨコ1436.4mm×タテ809.0mm)の大型テレビ向けのフィルムの生産性を引き上げる。先行投資によって、拡大が見込まれる大型ディスプレー向けの光学フィルムの需要に迅速に対応していく。

■高機能光学フィルム生産ライン増強の背景
 近年、テレビなどディスプレーの大型化にともない、パネル・偏光板・フィルム等のディスプレー製品の面積拡大の需要は増加傾向にある。英国の市場調査会社Omdia(オムディア)によると、テレビやPC等のモニターでは、2022~2026年の年平均成長率(CAGR)は5%、2022~2029年のCAGRは4%の面積増加が見込まれている。また、65インチの大型テレビが主流になるなか、パネルや偏光板の中国メーカーが生産効率の向上に対応するために大型化に対応したラインを増強しており、2,500mm幅に対応したテレビ向け光学機能性フィルムのニーズが高まっている。

 こうした動向に対してDNPは、生産した光学機能性フィルムから、65インチ用フィルムを効率良く取ることができる2,500mm幅対応のコーティング装置を2018年に偏光板向け保護用光学フィルム生産では世界で初めて導入している。今回この優位性をさらに活かすために、新たに三原工場に広幅コーティング装置を増設することになった。

 また、今回増設した広幅コーティング装置は、同時に2層を塗工できる設計になっている。今後のディスプレーの高機能化、多様化にともない、多層のコーティングが必要となり、AG-LR(Anti-glare-LR)フィルムや反射防止(Low Reflection)フィルムなどの需要にも対応していく。

■増設する高機能光学フィルム生産ラインの特長

・新ラインで生産する2,500mmの広幅のフィルムは、世界的に需要が増加している65インチのディスプレー向けの光学機能性フィルムを効率良く生産(面付け)することができる。
・光学機能性フィルムの反射防止の機能・性能を向上させる上で重要となる“多層コーティング”の生産性を考慮した設計になっている。
・増設したコーティング装置は、消費電力を削減する新技術の導入や生産プロセスの革新によって、従来と比較して年間30%のCO2排出量の削減が見込める。
・増設したラインの設備投資額は、約130億円を予定している。

■今後の展開
 DNPは、新たに増設した生産ラインによる量産を2025年度上期に開始する予定。主に中国をはじめとする各国の偏光板メーカーにディスプレー向け光学機能性フィルムの提供を拡大し、2026年度で年間約1,100億円の売上を目指す。また、DNPは光学機能性フィルムに関して、国内外で多数の特許を保有しており、知的資産を最大限に活用して、今後さらに高まる高機能品の需要に対応していく。

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