明治、十勝工場にメタン発酵ハイブリッド処理設備を導入

チーズ生産時に発生するホエイ残さの有効活用とCO2排出量削減の両立

メタンバイオガスをエネルギーとして利用

2024年4月稼働予定、産業廃棄物54%削減とCO2排出量5.9%削減を見込む

 ㈱明治は5月17日、チーズ生産時に発生するホエイ(乳清)残さ廃棄物削減のため、ホエイ残さをメタン発酵し排水処理する設備を十勝工場に導入すると発表した。2023年6月に着工し、2024年4月に稼働を予定しており、同設備の導入により十勝工場における年間産業廃棄物量の54%の削減とCO2排出量の5.9%の削減を見込んでいる。(2021年度比)。なお、設備導入のための投資額は約9.4億円。

 同設備は、チーズ生産時の副産物であるホエイからホエイプロテインパウダーを製造する際に発生するパーミエイト(膜ろ過透過液)をメタン発酵処理※する設備。今回、メタン発酵と既設好気処理の並列ハイブリッド仕様の設備とすることで、発生するメタンバイオガスを工場内のエネルギーとして利用できるほか、既設の排水処理設備の電力量の低減が可能となる。なお、メタン発酵と既設好気処理の並列ハイブリッド仕様の設備は同社で初めての導入であり、ビールおよび飲料工場で多くの導入実績がある栗田工業の装置を採用した。

 明治グループは、限りある地球資源を有効活用し循環型社会を実現するため、廃棄物の発生抑制や環境負荷低減によるCO2排出量削減を推進している。国内の食品事業における製品廃棄量を、2025年度までに2016年度比で50%削減することを目標に掲げている。明治は、今後も事業活動のあらゆる段階における廃棄物の発生抑制を行うとともに、環境負荷低減によるCO2排出量削減という社会課題の解決に向けて取り組んでいく。

<設備概要>
設備導入工場:十勝工場(北海道河西郡芽室町
設備名:排水処理メタン発酵処理設備
環境負荷低減(見込み):十勝工場の年間産業廃棄物の54%削減とCO2排出量の5.9%削減
稼働開始(予定):2024年4月
投資額:約9.4億円

 ニュースリリース