オカダアイヨン、22年度の売上は16.1%増の236億円、23年度予想は8.2%増の255億円

 オカダアイヨンが5月11日に発表した2023年3月期(2022年度)連結業績によると、売上高は23,575百万円(前期比16.1%増)、営業利益1,965百万円 (同10.9%増)、経常利益1,961百万円(同 8.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,414 百万円(同 18.8%増)となり、連結会計年度の最高売上・最高利益を更新した。

 2022年度におけるわが国経済及び世界経済は、引き続き新型コロナウイルス感染防止と経済活動との両立が求められる中、感染者数の減少や行動制限の緩和などにより持ち直し、緩やかな回復基調となった。一方で、ロシア・ウクライナ問題に端を発した資源・エネルギー価格高騰や、日米の金融政策を巡る思惑等による為替乱高下、米国の一部の金融機関の信用不安などにより国内外の企業の経営環境は変化し、先行きの景気不透明感が続いている。

 このような環境のもと、同社グループは昨年からスタートした長期ビジョン「VISION30」の方針のもと、今期か らのローリング3ヵ年計画、中期経営計画「ローリングプラン FY2022~FY2024」を策定し、国内では足許の堅調 な解体・インフラ工事需要に対応した増産と生産性向上を軸にした生産体制強化を注力課題として取組み、開拓余 力の大きな海外では拠点展開している米国・欧州・アジアでの営業体制強化を図るなど、更なる持続的成長と企業 価値向上に注力してきた。

■セグメント別経営成績

<国内セグメント>
 国内セグメントは、昨年から解体環境アタッチメントを中心に高水準の受注残を維持しており、増産や商材の確保に注力してきた結果、売上高は18,774百万円(前期比12.7%増)となった。
 機種別には、主力の圧砕機は再開発やビル・工場等の建替等による解体需要が引き続き順調で売上高7,833百万円(同13.9%増)、油圧ブレーカも売上高939百万円(同1.2%増)となった。

 一方で、つかみ機は金属スクラップ処理や木造解体、災害復興等の需要は引き続き堅調で受注残は抱えているものの、大型スクラップローダの納期ズレによる 販売台数減の影響などもあり売上高1,305百万円(同 4.2%減)となった。

 また、グループ連携による 販売強化を進めている林業機械は、昨年後半に投入した新商品「ハイブリッドバケット」の販売が寄与し売上高 1,298百万円(同 52.4%増)、ケーブルクレーン事業は大型案件のダム工事売上が寄与したことや再生可能エネルギーとして見直されている水力発電所の改修工事が引き続き順調で売上高1,775百万円(同 66.8%増)となった。輸入商材の大型環境機械に関しては、納期の長期化や円安進行による輸入価格上昇が影響し463百万円(同 45.0%減)に留まった。

 営業所リニューアルにより体制整備を図ってきたアフタ ービジネスについては、原材料売上高が1,887百万円(同 9.1%増)、修理売上高は987百万円(同 14.2%増)と底堅い伸びとなった。

 その結果、セグメント利益は鋼材価格の上昇等による利益圧迫要因などがあったものの、売上の増加が寄与し、1,661百万円(同 19.8%増)と増益となった。

<海外セグメント>
 海外セグメントは、売上高4,801百万円(前期比31.7%増)となった。

 主力地域の北米では順調に経済 活動が回復するとともに営業マンの育成などによる営業体制の整備が奏功し売上高2,955百万円(同36.9%増)、欧州は好調な市況の中で販売代理店網の充実が寄与し売上高1,017百万円(同 41.7%増)、 アジア地域は経済全般が好調な台湾向けが増加したこと等により売上高601百万円(同8.9%増)と重点3 地域で売上は順調に推移した。

 利益に関しては、一定の利益が見込める北米市場で売上を伸ばすことができ粗利は増加したものの、ほぼ年間を通じて海上運賃の値上げ影響を受けたことや、一過性要因のM&A関連手数料の費用処理、昨年のアメリカ子会社の「給与保護プログラム(PPP)」の利益下支え要因がなくなったこともありセグメ ント利益は326百万円(同22.1%減)と減益となった。

■次期見通し
 次期の見通しについては、新型コロナウイルス禍からの経済正常化が進む一方で、地政学リスクに端を発した原材料価格やエネルギー価格の高騰、またインフレ対策の金融引き締めが波及した米国金融不安等、引き続き国内外の経済の動向は予断を許さない状況が続くと思われる。

 その一方、国内では、全国各地の老朽インフラの再整備、大都市圏を中心とした都市再開発、災害復興工事や耐震・防災構造への建替え、資源再利用のためのリサイクル、森林・林業再生プランに基づく林業機械化など、国土の レジリエンスに寄与する幅広い分野での同社グループの建機・林業機械需要は、引き続き底堅いものと期待される。

 また、海外では欧米各国に加えて、アジア・中東・オセアニア・南米など、全世界的にインフラ・解体工事・スクラップ需要は今後も拡大していくものと期待される。

 このような環境のもと、同社グループは、従業員及び関係者の安全を最優先とし、新型コロナウイルス感 染再発防止に努めつつ、顧客需要に対応した安定的な商品供給とアフターサービスに心がけ、社会的責任を果たしていく。さらには、中長期的に期待される国内外の需要増加に対して、長期ビジョン「VISION30」の方針に則り、顧客の期待に迅速且つ適切に応えられるよう社内体制の整備を図っていく。

 2024年3月期(2023年度)連結業績予想は、売上高25,500 百万円(前期比8.2%増)、営業利益2,300 百万円(同17.0%増)、経常利益2,250 百万円(同14.7%増、親会社株主に帰属する当期純利益 1,500百万円(同6.1%増)。

 オカダアイヨンの2022年3月期 決算短信

 決算補足資料