CKDが5月12日に発表した2023年3月期(2022年度)連結業績によると、売上高は159,457百万円 (前期比12.1%増) 、営業利益 21,170百万円 (前期比18.4%増) 、経常利益21,181百万円 (前期比17.4%増) 、親会社株主に帰属する当期純利 益14,788百万円 (前期比17.7%増) となった。
2022年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染対策と社会経済活動の両立による制限緩和を背景に、景気は緩やかに回復してきたが、原材料価格の高騰や半導体をはじめとする部品の供給制約な どの影響がみられた。また、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴うエネルギー価格の上昇、円安の影響による物価の上昇などから 景気の先行きは依然として不透明な状況が続いている。
設備投資は、企業収益の持ち直しや環境などの成長分野への取組みにより増加傾向となった。また、製造 業全般における自動化投資や電子産業における情報通信技術の用途の拡がりを背景とした投資は継続して行われ、 堅調に推移したが、半導体メモリー価格の下落による在庫調整が発生するなど、期末にかけて投資が抑 制された。
海外経済では、欧米での先行きに不透明感はあるものの、企業の設備投資に底堅さがみられた。東南アジ アでは、活動制限の緩和による経済活動の正常化が進み、輸出の増加とともに景気の回復が続いた。中国で は、市場全体の設備投資が伸び悩む中、半導体や電池産業を中心に一部の投資は継続した。
■セグメント別の状況
<自動機械部門>
産業機械では、リチウムイオン電池製造システム及び三次元はんだ印刷検査機の売上高が増加した。また、自動包装システムでは、薬品向けの売上高は減少した。
売上高は15,566百万円 (前期比7.4%減) 、セグメント利益はセールスミックスの変化により、 2,008百万円(前期比16.8%減)となつた。
<機器部門>
国内市場では、データセンターや車載向け半導体の需要を背景に、半導体製造装置向け売上高が増加した。また、環境対応車に関連した製造設備向け売上高は底堅く推移した。海外市場では、成熟技術を用いた半導体や電池産業を中心に投資が継続した中国、期末にかけて需要は減少したものの半導体設備投資が堅調だった韓国や台湾などで売上高が増加した。また、設備投資に底堅さがみられる欧米やコロナ禍からの回復が続いた東南アジアの売上高も増加した。
売上高は143,891百万円 (前期比14.8%増) 、セグメント利益は売上高増加に円安傾向による為替の 影響も加わり、23,741百万円(前期比22.1%増)となった。
■今後の見通し
次期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の鎮静化による社会・経済活動の正常化の動きが進み、緩やかな回復が続くとみられるものの、インフレ抑制における金融政策の引き締めや金融情勢の悪化、依然続くロシア・ウ クライナ問題をはじめとする地政学リスクの高まりなど、不確実性は高いものと予想される。
社会の価値観や市場そのものが大きく変化する中、同社グループを取り巻く事業環境は、人手不足や人件費高騰 を背景とした製造業の自動化・省人化需要の持続、気候変動問題に対応した自動車の電動化に伴う需要の増加等が 見込まれる。その一方、コロナ特需の反動によるパソコンやスマートフォン需要の減退、在庫調整の長期化など 半導体設備投資抑制の影響を受けるとみている。よって、半導体を中心とする部品不足は改善が見込まれるが、引き続き、サプライチェーンリスク、米中間の 貿易摩擦が及ぼす影響、地震や自然災害が及ぼす影響、さらに為替変動が及ぼす影響などに注視していく必要がある。
以上の状況より、2024年3月期(23年度)連結業績予想は下記のとおり。
売上高142,000百万円(前期比10.9%減)、営業利益14,500(同31.5%減)、経常利益14,500(同31.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益10,000(同32.4%減)。
なお、為替レートは、1米ドル130円を前提としている。
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