㈱アマダが5月12日に発表した2023年3月期(2022年度)連結業績によると、売上収益365,687百万円(前期比17.0%増)となり、このうち国内は141,769百万円(前期比11.7%増)、海外は223,918百万円(前期比20.6%増)となった。
営業利益は、部品・材料価格高騰の影響は見られたものの、増収及び操業度向上、販売価格の改善に伴う売上利益増加に加え、為替の円安推移等により、49,867百万円(前期比29.4%増)となり、親会社の所有者に帰属する当 期利益は34,158百万円(前年同期比23.0%増)となった。
2022年度におけるアマダグループを取り巻く環境は、継続的なエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱による部材不足の影響などから、先行き不透明感による設備投資マインドの低下から景気減速が懸念されたが、地政学リスクに対するサプライチェーン再構築や社会課題などへの対応を背景に生産性向上、自動化に関する設備投資需要が底堅く推移した。
このような環境の下、アマダグループの業績は、代替品の調達や設計変更等により生産体制を維持、拡大することで、高水準な受注環境から売上につなげることに注力し、その結果、売上収益・営業利益・親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも過去最高を更新した。
■事業別・地域別の概況
①金属加工機械事業
売上収益は301,371百万円(前期比17.8%増)、営業利益は41,513百万円(前期比33.2%増)となった。
<微細溶接部門>
EVバッテリーやEV関連部品が活況で、全地域で増収となった。特に北米では、医療機器向けや政府の EV車向けの奨励策及びインフラ投資の増加により好調に推移した
②金属工作機械事業
売上収益は63,028百万円(前期比13.5%増)、営業利益は7,632百万円(前期比14.3%増)となった。
■今後の見通し
今後の世界経済は、主要国のインフレ対策による利上げ等の金融政策の動向に加え、ロシアのウクライナ侵攻の長期化懸念や金融システム不安などを背景に、世界的な景気減速の懸念がある。一方で、供給制約の改善や資 材価格高騰の落ち着きも見られる。
このような経営環境の中、次期のアマダグループの業績については、マクロ環境の先行き不透明感による設備投資 マインド低下のリスクを見込みつつも、豊富な受注残高と、製造業全般において底堅い省エネや生産性向上に資す る設備投資意欲等を背景に、現時点では次のとおり、過去最高の売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する 当期利益を見込んでいる。
2024年3月期の連結業績見通しは、売上収益375,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益50,000 百万円(同0.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益34,500 百万円(同1.0%増)。
為替レートは、1米ドル=12円、1ユーロ=135円を前提としている。
コメントを投稿するにはログインしてください。