エア・ウォーター、海外・エレクトロニクス事業の拡大を見据え、エンジニアリング体制を強化

・堺事業所に機能を集約・強化、製缶工場を増設

 エア・ウォーター(大阪市中央区)は5月8日、産業ガスの供給に不可欠な技術領域であるエンジニアリング体制のさらなる強化を図るため、 堺事業所において、開発・設計・製作・運転・保守部門等を集約する総合エンジニアリングセンター(仮称)を建設するとともに、深冷空気分離プラントの製作を行う大型製缶工場の増築を決定したと発表した。2023年4月より着工し、2025年4月に稼働を開始する予定。

 エア・ウォーターグループは、2030年に向けた成長戦略として、インド・北米を重点地域する海外展開や大手半導体デバイスメーカー向けのガス供給を基軸としたエレクトロニクス関連事業の拡大を進めているが、こうした事業展開に連動し、海外拠点や半導体工場に設置する各種ガス発生装置の需要増加が見込まれている。

 こうした中、これまで複数の拠点に分散していた産業ガスエンジニアリングの開発・設計・製作・運転・保守部門等を堺事業所に集約することで、小型から大型までのフルレンジで深冷空気分離プラントの製作に対応できるエンジリアリング技術をさらに強化する。更に製缶工場の建物面積を拡張し、製造能力を約2倍とすることで、エア・ウォーターグループの海外展開(インド、ベトナム、北米)や大手半導体デバイスメーカーの旺盛な生産増強、さらに装置の大型化にも対応できるエンジニアリング体制を構築する。

 また、エンジニアの人手不足が課題となる中、新たに建設する総合エンジニアリングセンターでは、人員や技術・ノウハウの集積によりグループシナジーを追求するとともに、業務効率化や人材育成のスピードアップを図り、従業員の能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を進める。

■特長

(1)総合エンジニアリングセンター(新事務所棟)

・これまで、大阪府内の3カ所(堺市西区、大阪市中央区、大阪市福島区)に分散していた産業ガスエンジニアリングに関連する部門を同拠点にすべて集約。社員同士の顔が見える間仕切りのないフロア構成とし、プロジェクトのスムーズな連携に加え、技術の高度化や業務効率の向上を図る。

・カフェテリアやリフレッシュコーナーなど福利厚生エリアの充実化や建物の高階層化による津波災害対策など、安全で働き甲斐のある職場環境を実現し、高度エンジニアリング人材の獲得と定着を図る。

(2)大型製缶工場 

・工場の建物面積を拡張し、小型から大型までを含めた装置の製造能力を約2倍に増強。

・海外展開に対応するため、製缶工場から直接、海上出荷ができるよう係留設備を設置。

<堺事業所 新事務所棟 概要>

名称:エア・ウォーター株式会社 堺事業所 総合エンジニアリングセンター(仮称)

所在地:大阪府堺市西区築港新町2丁6番地40

面積:(建設面積)約1,000㎡ (延床面積)約6,000㎡ (事業所全体の敷地面積)約26,450㎡ 

建物構造: 鉄骨造地上6階建(新築)

<大型製缶工場概要>

名称:エア・ウォーター・エンジニアリング株式会社(旧商号 エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社)

所在地:大阪府堺市西区築港新町2丁6番地40(堺事業所構内)

面積:約6,000㎡ (増築部は約2,100㎡)

建物構造:鉄骨造平屋建て(地上1階建て)

製造品目:空気分離装置、水素発生装置、LNG供給機器など

<その他>

投資額:約60億円

スケジュール:(着工)2023年4月(稼働開始)2025年4月

 ニュースリリース