シキボウ(大阪市中央区)およびシキボウの連結子会社である㈱シキボウ堺(堺市西区)は4月 27 日、同日開催のそれぞれの取締役会において、シキボウ堺における設備投資を決定したと発表した。
シキボウグループでは、中期経営計画「ACTION22-24」において、企業の持続的成長に向けた取組みを行っている。その中で、新中核事業と位置付ける化成品事業は、 主力の食品用増粘安定剤の販売拡大に向けた設備投資を実施することにより、さらなる 事業規模の拡大を目指している。
シキボウは、連結子会社であるシキボウ堺において、食品用増粘安定剤におけるブ レンド(粉体の混合)製品の生産能力の増強および品質向上の実現等を目的として、新工 場の建設を進めることにした。操業開始は、2025 年 1 月を予定している。
化成品事業(食品分野)が取り扱う食品添加物(増粘安定剤)については、「健康志向」 や機能性・利便性などの「高付加価値」のニーズを取り込むことで、人口が減少する日本国内においては、高齢者向けの補助食品など機能性食品の需要増、食の多様化ニーズにお いて、ビジネスチャンスがあると見込まれる。また、海外市場においても「健康志向」 は年々高まっており、さらなる市場規模の拡大が見込まれる。加えて、シキボウの取り扱う 食品添加物(増粘安定剤)は、サステナブルな植物由来であり、今後ますます需要が高ま るものと思われる。
また、新工場の室内は、高度な品質要求レベルにも対応可能となる、国内有数の高いク リーン度を備えた設計にし、これまで対応が困難であった分野においても取組みが可能 になるため、新たな市場の獲得、さらなる事業規模の拡大を実現する。
■設備投資の目的について
(1)ブレンド生産能力の増強
・最新設備を2ライン導入し、生産量は最大で約2.5倍
(2)ブレンド製品の品質向上
・洗浄可能なサニタリー仕様の生産設備
・医薬品の製造環境に準じた室内のクリーン度を実現する空調設備の導入 ・異原料等の混入を防止できる工場レイアウト
(3)取扱品目の拡大
・アレルゲン等を含む食品添加物の生産が可能
(4)BCP対策
・南海トラフ地震を想定した津波被害の回避を目的とするBCP対応
・生産設備の2ライン化により、機械トラブル等の停台リスクを分散した生産体制
の確保
(5)環境配慮
・太陽光発電システムの導入によるサステナビリティ経営の推進
(6)労働環境の改善および生産効率の向上
・生産設備の自動化による作業負荷の軽減
・最新の空調設備による作業環境の改善
・作業効率の向上
(7)事業拡張に向けたスペースの確保
・将来の事業拡張に備えた、増粘多糖類の精製や新規開発品の増産が可能なスペースの確保
<株式会社シキボウ堺の概要>
所在地:大阪府堺市西区築港浜寺西町11番地
代表者の役職・氏名:代表取締役社長 岩野 勉
資本金:1億円(シキボウ100%出資)
事業内容:化成品事業における製造、研究開発
・工業用糊剤(加工澱粉の製造)
・増粘多糖類(タマリンド・サイリウム等)の精製・殺菌・ 低臭化
・増粘多糖類等の粉体の混合・小分け
・分析試験(微生物、物性、栄養成分の分析・試験)
<設備投資の内容>
設備投資内容:新築建屋および食品分野製造設備ほか
投資予定額:約37億円
操業開始時期:2025 年1月予定(工場の進捗状況等により、変更の可能性がある)