・最新機種のM501JAC形ガスタービン2台を中核とする出力120万kW級設備
・2050年のネットゼロ目標に向けて推進、脱炭素化を支援する将来の水素混焼も視野に
・エナジートランジションの加速に貢献するトップクラスの技術を提供、2026年に稼働予定
三菱重工業は4月28日、米国の大手電力会社エンタジー・テキサス社(Entergy Texas, Inc.)が運営するオレンジ・カウンティ発電所向けに、120万kW級の天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を受注したと発表した。主力最新機種である空気冷却方式のM501JAC(J-series Air-Cooled)形ガスタービン2台を中核とするもので、2026年の運転開始を予定している。
三菱重工は、このGTCC発電設備向けにM501JAC形ガスタービン、蒸気タービン、発電機、排熱回収ボイラーといったGTCC発電における中核設備を供給しする。また、米国イリノイ州に本拠を置くエンジニアリング会社のサージェント&ランディ社(Sargent & Lundy, L.L.C.)および米国の大手建設会社Kiewit Corporationの傘下企業であるTIC社とのコンソ―シアムにより、ターンキー方式でのEPC(設計・調達・建設)取りまとめを手掛ける。テキサス州南東部のブリッジシティー(Bridge City)近郊にエンタジー・テキサス社が総出力121万5,000kWの発電所を建設するという計画を、テキサス州公益事業委員会が承認。このほど4月24日に現地で起工式が開催された。
エンタジー・テキサス社CEOのエリエセル・ビアモンテス(Eliecer Viamontes)氏は次のように述べた。
「オレンジ・カウンティ発電所は、急速に成長するテキサス州南東部に電力を供給し、よりクリーンで信頼性が高く、低コストのエネルギーをお客様に提供するという当社のミッションを支えるものです。さらに、水素混焼能力を備えることで、発電所が長期にわたり存続することが期待されます。同発電所は、将来的にクリーンで信頼性の高い重要なエネルギー源を活用するために、水素製造業者、パイプライン、貯蔵設備、オフテイカー(注)の近くに戦略的に配置されます」。
一方、三菱重工グループの現地窓口である三菱パワー・アメリカ(Mitsubishi Power Americas, Inc.)で社長兼CEOを務めるビル・ニューサム(Bill Newsom)氏は次のように述べた。
「当社は、ネットゼロの目標を達成するために、相互補完的な専門知識を持つチームを編成する必要性を認識しています。エンタジー社およびEPCパートナー2社とともに発展し続けていけるようにと期待しています」。
三菱重工は、高効率で信頼性の高いGTCC発電設備の普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの脱炭素化を促進することで地球環境の保全に貢献していく。
(注)プロジェクト事業体(この場合はエンタジー・テキサス社のオレンジ・カウンティ発電所)が提供するモノやサービス(電力)を購入してくれる客先のこと。
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