住友電気工業は4月27日、英国、スコットランドに電力ケーブル製造・販売会社を設立すると発表した。
脱炭素社会の実現に向け、世界的に再生可能エネルギーの導入や国家・地域間連系線の建設が進められており、特に活況な欧州市場では、関連する電力ケーブルの需要が拡大している。中でも英国では2050年までに、スコットランドでは2045年までに、それぞれネットゼロ達成に向け洋上風力発電の導入が積極的に行われており、電力ケーブルの最大需要地のひとつと見込まれている。
住友電気工業は、2019年に英国-ベルギー間の直流XLPE絶縁ケーブルを納入・完工(NEMOリンク)し、世界初かつ最高電圧となる400kV直流XLPE絶縁ケーブルの技術的優位性、信頼性を示すことができた。この成果により、2020年にドイツCorridor A-Nordプロジェクト、2021年には英国-アイルランド間の高圧直流送電システム(Greenlink)をはじめ、世界で受注を拡大している。
また、住友電気工業は洋上風力向けの電力ケーブルについても、英国、ドイツ、台湾、韓国他での実績に加え、日本初の商用の洋上風力発電である秋田港・能代港洋上風力発電所など、国内外でプロジェクトに取り組んできた。
こうした実績のもと、住友電気工業はこのほど、洋上風力発電の導入が進む欧州地域での電力ケーブル事業を拡大するため、英国、スコットランドのハイランド地方に電力ケーブルの製造・販売会社を設立することを決定した。
英国を中心に欧州市場向けの電力ケーブルを現地で製造、安定供給、長期保守対応を実現することにより、顧客のニーズに応え、欧州市場でのプレゼンス向上を目指す。
■ 住友電気工業 井上治社長のコメント
グレイ大臣と共同で、スコットランドに最新鋭のケーブル工場を新設することを発表でき、嬉しく思います。当社は100年にわたるケーブル製造の歴史の中で培ってきた技術、実績と最高水準の品質により、業界を牽引してきました。グリーン社会の発展のために欠かせない当社の技術で、スコットランド政府、英国政府、その他のステークホルダーとともに、将来の国際連系線建設や洋上風力発電プロジェクトの実現に向けて取り組んでいきます。
■スコットランド ウェルビーイング・フェアワーク・エネルギー 担当 ニール・グレイ大臣のコメント
住友電工がスコットランドに進出を決定したことを大変嬉しく思います。この発表は、ネットゼロ経済を目指すというスコットランド政府の目標に対するステークホルダーの信頼の強さを表しています。住友電工は、再生可能エネルギー関連技術において豊富な実績を有しており、スコットウインドを通じて27GW以上の洋上風力発電容量を実現することを目指しているスコットランドの洋上風力分野において、欠くことのできない存在となると考えています。スコットランド政府、スコットランド国際開発庁、ハイランド&アイランズ開発公社は、今後も住友電工との間でパートナーシップを発展させ、世界的な再生可能エネルギー革命によってもたらされる機会に対し共に取り組んでいきます。
ニュースリリース
*リリース内容か一部「ですます調」で表記しています。