シスメックス、約30億円投じインドに新生産拠点設立

・持続的成長を支える生産体制を構築

 シスメックス(神戸市中央区)は4月17日、インドにおける中長期的な事業展開と成長持続を実現するため、同国グジャラート州に新たな生産拠点を設立することを決定したと発表した。

 インドは、「世界人口推計2022年版(World Population Prospects 2022)」によると2023年に中国を抜いて世界で最も人口が多い国になり、また急速な経済成長により2027年にはGDPも世界3位になると予測されている。同国ヘルスケア市場は、経済発展も背景とした国民による良好な医療アクセスへの需要増に応えるため、民間主導による進展に加えて、医療インフラへの継続的な政策投資も計画されており、今後も高い成長が見込まれている。

 シスメックスは、1998年にインド現地に合弁会社(現 Sysmex India Pvt. Ltd.)を設立して事業を開始した。2008年に同社を完全子会社化し、2012年に尿検査分野、2014年に凝固・生化学検査分野、2019年より主力のヘマトロジー検査分野において直接販売・サービス&サポートを順次展開することで、事業規模の飛躍的な拡大と販売・サービスネットワークの拡充を推進してきた。インド国内顧客向けの製品供給体制については、2007年にヒマーチャル・プラデーシュ州バディに試薬生産工場を設立して安定供給を図ってきた。

 今回、シスメックスは、高い潜在成長力を有するインド市場における更なる検査需要増加を見据え、今後も中長期的に安定的な製品供給を実現するため、生産体制の整備・拡充を目的とした新たな生産拠点をグジャラート州アーメダバードに建設することを決定した。新たな生産拠点は、将来の急速な需要増加や更なる生産品目拡大への対応を可能とする生産能力および拡張性を持たせ、さらに一部の機器生産および部材調達機能も備える予定。また、高品質・高効率なものづくり、敷地外への排水ゼロを目指すゼロリキッドディスチャージシステムの導入をはじめとする地球環境への配慮などを基本コンセプトとしている。

 今後もシスメックスは、世界中の顧客に安定的に製品を届けるため、各地の市場環境、成長にあわせた生産体制の整備を迅速に進めていく。

<新生産拠点の概要>
所在地:インド グジャラート州サナンドII工業団地
投資総額:約30億円
稼働時期:試薬生産・機器生産ともに2024年度内の稼働を目指す
生産品目:試薬、機器

 ニュースリリース