・地球環境保全業務の下、日本企業による再生可能エネルギー発電事業を支援
国際協力銀行(JBIC)は4月6日 、住友商事、スペイン法人Ocean Winds、フランス法人Caisse des Dépôts et Consignations及びフランス法人Vendée Energieが出資するフランス法人Eoliennes en Mer Iles d’Yeu et de Noirmoutier S.A.S.(以下、Noirmoutier)との間で、洋上風力発電事業を対象として、融資金額約11億ユーロ(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス1による貸付契約を5日に締結したと発表した。融資は、民間金融機関2、フランス公的投資銀行(Bpifrance)及びフランス郵便貯金銀行(La Banque Postale)との協調融資により実施するもので、協調融資総額は約22億ユーロ。
プロジェクトは、Noirmoutierがフランス西部Noirmoutier島より16.5kmのビスケー湾沖合において、発電容量約500MWの洋上風力発電所を建設・所有・運営するもの。商業運転開始後20年間にわたりフランス電力(Electricite de France)向けに売電する。
フランス政府は、2019年に「エネルギー・気候法」を制定し、2030年の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を少なくとも40%まで引き上げる目標を設定している。同政府は目標達成に向け、洋上風力発電の導入設備容量を2023年に2.4GW、2028年に5GWに拡大する計画。2020年4月には、「エネルギー複数年計画」を発表し、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目標としており、原子力発電比率の引き下げ、化石燃料使用量の削減及び再生可能エネルギーの大規模導入を推進する方針を示している。本件は、こうしたフランス政府の再生可能エネルギー移行政策に沿うものであり、温室効果ガス排出量削減を通じて地球環境保全に貢献するもの。
日本政府は、「インフラシステム海外展開戦略2025」(令和4年6月追補版)において、カーボンニュートラル・脱炭素移行への支援として、ホスト国のエネルギー政策に適合し、高度な技術を活用して環境負荷を抑制した質の高いエネルギー・電力インフラに対する金融支援を実施する方針を掲げている。同プロジェクトへの融資はこうした施策に沿うものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期にわたり運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するもの。
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による脱炭素化に向けた海外インフラ事業展開を金融面から支援していく。
ニュースリリース
注釈
*1 プロジェクトファイナンスとは、プロジェクトに対する融資の返済原資を、そのプロジェクトの生み出すキャッシュフローに限定する融資スキーム。
*2 株式会社三菱UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行、農林中央金庫、Société Générale SA、Crédit Agricole CIB、Caisse d’Epargne Bretagne Pays de Loire、BPCE Energeco、BNP Paribas S.A.、Standard Chartered Bank、NatWest Bank Europe GmbH、CaixaBank, S.A.、Santander CIB、DZ Bank AG、Coöperatieve Rabobanks U.A.。
ニュースリリース(住友商事)