国際協力銀行(JBIC)は4月3日、3月31日にインド法人インダスインド銀行(IndusInd Bank Limited(略称:IndusInd))との間で、融資金額100百万米ドル(うちJBIC融資分60百万米ドル)を限度とする貸付契約を締結したと発表した。この融資は、みずほ銀行、静岡銀行及び常陽銀行との協調融資によるもの。また、JBICは民間金融機関の融資部分に対し、保証を提供する。
インダスインド銀行は、インドの民間金融機関において資産規模第5位(2022年3月末時点)の地場金融機関。今回の融資は、日系建機メーカーの現地サプライヤー及びディーラーが行う製造・販売事業並びに日系建機の現地販売金融事業に必要な資金をインダスインド銀行を通じて融資するもの。
インドの建機市場は、販売台数ベースで世界第3位の規模であり、今後も市場拡大が見込まれている。特に、日系建機メーカーは、インドの掘削用(油圧ショベル)建機市場で約6割のシェアを有しており、その成長性の高さも踏まえ、インドを重要な市場と位置付けている。融資は、インドにおける日系建機メーカーの製造・販売活動全体に必要な資金の供給を行うことで、現地サプライチェーンの強靱化を支援し、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するもの。
また、インド政府は、インドの製造業を強化し、世界中から投資を呼び込むことで、インドをグローバルな投資先とすべく、2014年9月からMake in India政策を掲げている。また、2021年8月に発表された国家インフラ開発計画(PM Gati Shakti)は、各省・各州政府横断でインドの長年の課題である物流インフラの効率改善を目的としたインフラ開発に関するマスタープランであり、総予算規模100兆ルピーの下、数多くのインフラ開発プロジェクトが計画されている。融資は、インドの日系建機メーカーのサプライチェーン強靱化を通じて、同国で拡大するインフラ開発に必要な建機供給を促進するとともに、地場の中小サプライヤー等の強化にも繋がり、インド政府の政策に合致するもの。
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業のインドにおけるビジネス環境整備を金融面から支援していく。