酒井重工、東南アに新型建機を現地生産、道路メンテ需要増狙う

 酒井重工業 :2023年3月14日

 道路機械大手の酒井重工業(東京都港区)の現地法人、サカイ・インドネシアは3月6日、東南アジア市場向けに開発したロードカッター (路面切削機)「ER555F―s」の投入を発表した。2024年1月にインドネシアでの生産開始を予定する。また、ロードスタビラ イザーと呼ばれる、路盤を整備する大型機械「PM550―s」の量産も23年半ばに開始する。今後、道路メンテナンス需要の増加が 見込まれる東南アジア地域一帯の製造・サービス拠点として体制を強化する。

 サカイ・インドネシアの馬場洋社⻑によると、道路メンテナンス機械をインドネシアで現地生産するのは同社が初めて。

 ロードカッターは、路面のメンテナンス時に新しくアスファルトを舗装するため、古いアスファルトの舗装面を削って剥がす機械。日本で販売している「ER555F」をベースに、エンジンなどを東南アジア仕様に改めた。ホイール式による機動性の高さや、切削部分 を左右に移動させることができ中央分離帯や道路標識など障害物を避けながら作業できる点が特徴。

 ⻄ジャワ州チカランの東ジャカルタ工業団地(EJIP)にある工場で生産する。ER555F―sは、年内に生産設備の準備を進め、 24年1月の生産・出荷開始を予定する。向こう3〜4年で、東南アジア地域一帯で年間約20台の販売を目標に掲げる。

一方、ロードスタビライザーは、老朽化した舗装を破砕し、アスファルト乳剤などと混合することで路盤材として再利用しつつ路盤を整備する。先に1号機をインドネシアで生産していたが、量産体制を整える。

 酒井重工業の解田昌広氏(常務執行役員、海外事業本部⻑)はNNAに対し、シンガポールやマレーシアは道路のアスファルト舗装率が高く、メンテナンス需要は多いと指摘。一方、インドネシアでは東カリマンタン州に整備する新首都「ヌサンタラ」開発で新たな道路が建設されるなど、現時点で舗装率が低い国でも今後道路が建設されるにつれ、需要も増えていくと見込まれると説明した。

 解田氏はまた、故障したときにいかに早く直せるかが重要だと指摘。EJIPのサカイ・インドネシアの工場内にあるサカイ・セールス・アンド・サービス・アジアが東南アジア一帯のアフターサービスを担う体制をとっており、今後これをさらに強化していく方針を明らかにした。

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