日立エナジー、洋上風力向け HVDC 変換所と関連インフラの包括契約

・日立エナジーが EPC 事業者ペトロファックと共に、蘭・独の送電事業者テネットと 約 130 億ユーロの洋上風力向け HVDC 変換所と関連インフラの包括契約を締結

 日立製作所:2023年3月31日

・日立エナジーの実績ある技術と英・ペトロファックの専門知識で洋上風力発電の導入拡大を支援

・2GW の洋上プラットフォーム(写真提供:テネット)

 日立エナジーは、エネルギーインフラ関連の国際的な EPC 事業者である英・ペトロファックと共に、オランダ およびドイツの大手送電事業者であるテネットと複数の洋上および陸上の HVDC 変換所と関連インフラを供給する包括契約を締結しました。本契約の下で、日立エナジーおよびペトロファックは、六つの洋上風力 発電連系システムを順次受注し、その総額は約 130 億ユーロ *1 となります。これは、日立エナジーにとって過 去最大の包括契約です。また、連系システムはいずれも 2GW の電力容量と 525kV の電圧を有する計画 で、電力容量、電圧ともに洋上風力向けとしては世界初の規模となります。

 日立エナジーは、最新の HVDC 技術である HVDC Lightを使用した変換所の供給を、ペトロファックは、 洋上プラットフォームおよび陸上土木工事のエンジニアリング、調達、建設および設置を担当します。日立エ ナジーとペトロファックは、洋上風力発電向け連系システムと関連インフラを提供するために、2022 年 6 月 に協力を開始しており、本契約はその協力関係に基づくものです*2 。

*1 約 1 兆 8,600 億円(2023 年 3 月 30 日時点為替レート(1 ユーロ=143.7 円)にて算出) *2 2022 年 6 月 29 日発表ニュースリリース「日立エナジーが、英国の EPC 事業者ペトロファックと洋上風力発電向け HVDC およ び HVAC に関する協業契約を締結」(https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/06/0629.html)

 本契約は、北海の洋上風力発電所で発電された電力を効率的に陸上に送電することで、オランダなら びにドイツの洋上風力発電の導入拡大を支援することを目的とした、テネットの「2 GW プログラム」 *3 の一環 です。六つの連系システムのうち、五つはオランダの送電網と連系し、一つはドイツの送電網と連系します。

 本契約により、日立エナジーとペトロファックは、計画的に、人財確保や生産能力の拡大、業界で必要とさ れるスキルを持つ人財の育成を行えるほか、プロジェクト間での相乗効果を得ることが出来ます。

*3 https://www.tennet.eu/2gw-program(英語サイト)

 日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソンは、「今回の包 括契約は、膨大な洋上風力発電の連系計画を示すものです。これに基づき、当社はグローバルで供給能 力を拡大し、本契約やその他の契約に対応するための採用活動をすでに開始しています。本プロジェクトに 参加できることを誇りに思い、パートナーのペトロファックと共に、洋上向け HVDC 技術を大規模かつ迅速に 展開するための準備を始めています。」と述べています。

 ペトロファックの CEO であるサミ・イスカンダルは、「今回の発表は、ペトロファックと日立エナジーのコラボレ ーションにおける次のステップを示すものです。我々は、テネットの 2GW プログラムの最初の二つのプロジェクト を推進するために必要な、主要なリソースをすでに確保しています。ペトロファックの業界をリードする EPCI*4 の専門知識と日立エナジーの実績ある技術を組み合わせることで、テネットを支援し、大規模な風力発電 所の連系により、ヨーロッパの数百万世帯に手ごろな価格のクリーンエネルギーを提供できることを楽しみにし ています。」と述べています。

*4 Engineering, Procurement, Construction and Installation

 テネットの COO であるティム・マイヤーユルゲンスは、「テネットは、北海の風力発電を連系するための技術 ノウハウ、規模、地理的特徴を備えています。本プロジェクトは、今世紀で最も重要なインフラプロジェクトの 一つであり、エネルギーシステムのグリーントランスフォーメーションは、産業の脱炭素化を推進する上で重要な 役割を果たします。パートナーと共に重要なマイルストーンを達成できたことを誇りに思います。私たちは共に 洋上送電網の開発を加速し、ヨーロッパにおける将来のエネルギーの発展に貢献します。」と述べています。

 テネットの大規模洋上プロジェクト責任者であるマルコ・カイパースは、「今回の新たな長期的アプローチは、 強力なパートナーシップの構築をめざすものです。本契約により、洋上風力発電の連系計画を示すことで、 柔軟な対応や技術開発を可能にし、雇用、成長、サプライチェーンの面ですべての関係者に利益をもたらし ます。日立エナジーとペトロファックは、本プロジェクトに向けた投資をすでに開始しています。」と述べています。

 2022 年に、ドイツ、オランダ、デンマーク、ベルギーは、2030 年までに合計で少なくとも 65GW の洋上風 力発電を導入するというエスビャウ宣言に合意しました*5 。この容量の約 3 分の 2 にあたる 40GW を、テネッ トがドイツとオランダに 20GW ずつ導入する計画です。

*5 https://windeurope.org/wp-content/uploads/files/policy/position-papers/the-esbjerg-declaration-north-sea-

as-green-power-plant-of-europe.pdf(英語)

■HVDC ウェブサイト https://www.hitachienergy.com/jp/ja/offering/product-and-system/hvdc

■日立エナジーについて
 日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーで す。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供すると ともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デ ジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを 取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進 めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界 90 カ国に約 40,000 人の従業員を擁しており、140 カ国以上の導入実績と、約 1 兆円の事業規模を有しています。

詳しくは、ウェブサイト(https://www.hitachienergy.com/jp/ja)をご覧ください。

■日立エナジー関連リンク

(1) 公式 Linkedin(英語) https://www.linkedin.com/company/hitachienergy

(2) 公式 Twitter(英語) https://twitter.com/HitachiEnergy

■日立製作所について
 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。 金融・官公庁・自治体・通信向け IT サービスやお客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エ ネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘ ルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルで つなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステ ム」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお 客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長 をめざします。2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 2,646 億円、2022 年 3 月末時点 で連結子会社は 853 社、全世界で約 37 万人の従業員を擁しています。

 詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。

■日立グループ パワーグリッドポータルサイト https://www.hitachi.co.jp/products/energy/pg/

 ニュースリリース
 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。