日立エナジーが、米・ユタ州とカリフォルニア州向けに 2 基の HVDC 変換所を受注

・低炭素で信頼性の高い電力を米国最大規模のエネルギー市場に供給するために HVDC 送電線を近代化

 日立エナジーは3月30日、 米国・ユタ州とカリフォルニア州ロサンゼルス地域を結ぶ Intermountain Power Project (IPP)送電線向けに、ユタ州の電力会社である Intermountain Power Agency(インターマ ウンテン・パワー・エージェンシー)* 1 から 2 基の HVDC 変換所を受注したと発表した。プロジェクトは、1986 年に日 立エナジーが納入した既設の HVDC 変換所 *2 を近代化し、システムの信頼性と効率を高めるもの。日 立エナジーは、HVDC 変換所の提供を通じて、カリフォルニア州の電力安定供給と、より持続可能なエネル ギー源への移行を支援する。。

*1 https://www.ipautah.com/about-ipa/(英語サイト)
*2 https://www.hitachienergy.com/about-us/customer-success-stories/intermountain-power-project(英語サイト)

 現在、 IPP はユタ州・デルタからカリフォルニア州・アデラントまで 785km(488 マイル ) にわたって最大 2,400MW の電力を送電していいる。新しい HVDC システムは、日立エナジーの最新の HVDC 技術である HVDC Lightを使用して、地域の顧客への電力供給の信頼性を高める。

 今回の受注は、ユタ州にある石炭を燃料とする既存の発電所を廃止し、 CO 2 を含まないグリーン水素を 使用した新しい発電所を導入する IPP のプロジェクト 「IPP Renewed」 の一部。新しい発電所は、完成すると業界最大のグリーン水素製造システムの一つとなり、燃料として水素を製造するために再生可能エ ネルギーを使用する。同発電所は、運転開始時に 30%の水素燃料を使用するように設計され、2045 年 までに 100%の水素燃料に移行する*3 。

*3 https://www.ipautah.com/ipp-renewed/(英語サイト)

 日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソン氏は、「 40 年近く の緊密な協力関係の後、この極めて重要な電力インフラを近代化し、カリフォルニアの人々に次世代の再 生可能エネルギーを供給するために、インターマウンテン・パワー・エージェンシーと再び協力できることを喜ばしく 思います。当社は、本プロジェクトを通じて、ロサンゼルス地域への安定した電力供給と、カリフォルニア州の 再生可能エネルギーならびにゼロカーボン目標の達成を支援します。」と述べている。

 インターマウンテン・パワー・エージェンシーのゼネラルマネージャーであるキャメロン・コーワン氏は、 「電力網をさら に強化するために、日立エナジーと再び協力できることを嬉しく思います。IPP は、約 40 年間、地域へのエネ ルギー供給を行っています。南部の送電システムを近代化することで、必要なエネルギー資源を、さらに何十 年にもわたって提供することが可能になります。」と述べている。

 日立エナジーは、北米の建設会社である Quanta Services(クアンタ・サービス)と提携し、ユタ州・デルタお よびカリフォルニア州・アデラントのプロジェクトサイトでの HVDC のターンキープロジェクトソリューションを提供する。クアンタ・サービスは、公益事業、再生可能エネルギー、通信、パイプライン、およびエネルギー業界に特化 したインフラソリューションを提供する業界リーダー。同コラボレーションは、両社のコアコンピタンスを活用して、 プロジェクトに最高クラスのソリューションを提供することを目的としている。

 日立エナジーの供給範囲には、HVDC 変換所の設計、エンジニアリング、調達、設置、試運転が含まれる。今回のプロジェクトでは、既存の HVDC システムと並行して新しい変換所を設置することで、プロジェクト 全体で継続的な送電を可能とし、新しい機器に切り替える際のダウンタイムを最小限に抑える。

■日立エナジーの HVDC について

 日立エナジーの HVDC ソリューションは、HVDC 変換バルブおよびデジタル制御プラットフォーム MACHTM*4 、 変換用変圧器、高電圧開閉装置、システム調査、設計・エンジニアリング、供給、据付管理、試運転に 関する世界トップレベルの専門知識を結集したものです。 日立エナジーは、約 70 年前に商用 HVDC 技術を開発し、以来、世界の HVDC プロジェクトの半分以 上を納入してきました。

*4 Modular Advanced Control for HVDC (MACH™)制御保護システム

■HVDC ウェブサイト https://www.hitachienergy.com/jp/ja/offering/product-and-system/hvdc

■日立エナジーについて
 日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーで す。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供すると ともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを 取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進 めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界 90 カ国に約 40,000 人の従業員を擁しており、140 カ国以上の導入実績と、約 1 兆円の事業規模を有しています。 詳しくは、ウェブサイト(https://www.hitachienergy.com/jp/ja)をご覧ください。

■日立エナジー関連リンク

(1) 公式 Linkedin(英語) https://www.linkedin.com/company/hitachienergy

(2) 公式 Twitter(英語) https://twitter.com/HitachiEnergy

■日立製作所について

 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。 金融・官公庁・自治体・通信向け IT サービスやお客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エ ネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー &モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘ ルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルで つなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステ ム」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお 客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長 をめざします。2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 2,646 億円、2022 年 3 月末時点 で連結子会社は 853 社、全世界で約 37 万人の従業員を擁しています。 詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。

■日立グループ パワーグリッドポータルサイト https://www.hitachi.co.jp/products/energy/pg/

 ニュースリリース
 *リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。