中外医薬生産 、約50億円投じて新工場建設と本社工場を増設

・二拠点製造体制で医薬品を安定供給

 中外医薬生産(三重県伊賀市)は、3月22日、医薬品の安定供給に向けた製造強化のため、新工場の建設及び今後の本社工場への増設により二拠点体制を構築していくと発表した。

1.目的:医薬品の安定供給の強化
 コロナ禍で消毒液、風邪薬、解熱鎮痛剤などの需給状況が大きく変動しており、OTC 医薬品、医療用医薬品ともに一 部の製品群において供給不足が発生している。このような環境下において、同社は、今後も環境の変化に柔軟に対応するため、本社工場及び新工場へ設備増強により二拠点製造体制を構築し、災害対策含め必要な医薬品をより安定的供給できる体制を整える。また、今後のポストコロナに向けて、人生 100 年時代にいきいきと過ごすためのセルフケア に使用できる医薬品の研究開発を加速し、Well-Being(※1)な社会づくりに貢献する。

2.投資額:約50億円(新工場の建設及び本社工場の増設の合計)

3.採用:約50名(2023 年から 3 年間での全社合計での予定数)

4.増産効果:外用液:年間1,000万本 錠剤:年間10億錠(それぞれ新工場及び本社工場での合計)

<新工場の概要>
名称:中外医薬生産株式会社 みどりヶ丘第二工場
所在地:三重県伊賀市西明寺3160番地
3階建て 鉄骨造
敷地面積:8,649 m²
建築面積:2,826 m²
延床面積 7,384 m²
高さ:21m
竣工:本格稼働 2023 年秋

■新工場の特徴
①最先端の設備機器を導入
 従来比で設備機器をオートメーション化することで、生産工程の省力化を図る。また重量物の搬送について機械化を行 い、作業員の作業負荷軽減を図る。危険物である消毒用アルコールの取扱のため、建物を耐火構造の防爆仕様とし、 安全性の高い製造ラインにより消毒用アルコール等の感染対策製品の製造を行う。また本社工場との連携により感染拡 大時には生産能力の拡大を図れる体制とする。

②従業員にも優しい工場に
 従業員の約半数を占める女性が働きやすい職場を目指し、女子更衣室にはパウダールーム(下図)を整備するなど EVP(従業員価値提供)の向上にも取り組む。

③レジリエントな生産拠点として BCP 対策
 BCP 対策のため、本社とみどりが丘工場の 2 拠点体制を構築し、レジリエンス(※2)の向上を図る。両工場ともに複数の幹線道路に近接しており、近畿・中京圏の中間に位置するなど交通アクセスに強い地域の強みを活かす。

 同社は研究開発型 OEM を得意としており、特に製造について、原料・資材の選定調達から製造、品質管理まで一貫した製造体制を有することを強みとしている。
 今後も地域に根差した医薬品メーカーとして、Well-Being(※1)な社会づくりに貢献する。また地方での高度化人材の 活躍の受け皿となるべく、新たなチャレンジを続けていく。

※1 Well-Being:「ウェルビーイング」(well-being)とは、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と翻 訳されることも多い言葉。世界保健機関(WHO)憲章の前文では、「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉 体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます(日本 WHO 協会:訳)」とされ ている。

※2 レジリエンス:困難に直面した状況でうまく適応する能力、適応する過程、そして適応した結果を意味する。同社の場合、災害発生時 に両工場間で社員・資材原料・製造等を融通しあうことで早期復旧を目指す。

 ニュースリリース