日本曹達、二本木工場(新潟県上越市)に100億円投じて医薬品添加剤の生産能力を1.5 倍増強

 日本曹達(東京都千代田区)は3月23日、医薬品添加剤「NISSO HPC」(ヒドロキシプロピルセルロース)の世界的な需要拡大に 対応するため、生産能力の増強を決定したと発表した。

 「NISSO HPC」は、医薬品添加剤、とりわけ固形製剤の結合剤として使用されており、錠剤の 硬度を高める結合力や、溶けにくい有効成分の溶解性改善、徐々に有効成分を放出する徐放性など、 高い機能を有している。医薬品の市場は世界的に拡大傾向にあり、医薬品生産量の堅調な伸び に伴い、「NISSO HPC」の販売は着実に増加している。 また、成型が困難な天然材料を多く 含有する製剤が可能になることから、健康食品錠剤などの食品分野向け(製品名「セルニー」)に おける採用も拡大している。
上記の旺盛な需要に対応し、安定的な供給体制を確保するために、「NISSO HPC」製造設備の 生産能力増強を決定した。 今回の増産体制の整備により、顧客のニーズにあわせて取り揃えた多様な銘柄の効率的な生産が可能になる。 あわせて、国内外の顧客より評価を得 て いる 、「 高度な品質管理 」と 「 グ ローバルテクニカルサービス 」の さらなる強化により 、「 NISSO HPC」の中長期的な販売拡大に取り組む。

 日本曹達グループは、長期経営ビジョン「かがくで、かがやく。 2030」、ならびに 3 ヵ年の中期経営計画「かがくで、かがやく。 Stage I」(2021 年 3 月期~2023 年 3 月期)において、強固な事業基盤の構築に向けた取り組みを進めている。同計画では、成長ドライバーを核とした既存事業の拡大により事業収益力の向上を図ることとしており、今回の生産能力増強はこれらの取り組みの 一環として、グループのさらなる企業価値の向上に貢献するもの。

<能力増強の概要>
対象工場:二本木工場(新潟県上越市中郷区藤沢950)
生産能力:現状の 1.5 倍に増強
投資金額:100 億円
完成時期:2026 年度上期営業運転開始(予定)

 ニュースリリース